当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。
関西の人に「今日えらいわ」と言われて、『え、何か褒められることでもあったの?』と思ったことはありませんか。
結論から言うと、関西弁の「えらい」は「偉い」の意味だけでなく、「しんどい・疲れた」「とても」「大変な」という意味でもよく使われます。この記事を読めば、関西弁のえらいの3つの意味と見分け方、関西以外で使う時のコツまで分かります。
関西弁の「えらい」の意味は3つ
関西弁の「えらい」には、主に「しんどい・疲れた」「とても・ずいぶん」「大変な」の3つの使い方があります。もちろん標準語と同じ「偉い」の意味でも使います。
標準語で「えらい」と言えば、「立派だ」「身分が高い」という意味ですよね。「えらいね」と言われたら、褒められたと受け取るのがふつうです。
ところが関西では、「えらい」がまったく別の意味で使われることがあります。同じ言葉なのに、場面によって意味が大きく変わるんです。
| 意味 | 関西弁の例文 | 標準語訳 |
|---|---|---|
| しんどい・疲れた | 「今日えらいわ」 | 今日は疲れた |
| とても・ずいぶん | 「えらい混んでんな」 | ずいぶん混んでるね |
| 大変な・ひどい | 「えらいこっちゃ」 | 大変なことだ |
| 偉い・立派 | 「えらいなあ、よう頑張ったな」 | 偉いね、よく頑張ったね |
『こんなに意味があったら、どれか分からなくなりそう』と思った方もいるはずです。ただ、文の形を見ればほとんど見分けられるので安心してください。

「しんどい・疲れた」の意味のえらい
「えらいわ」「えらかった」のように、えらいが文の最後に来て、自分の体や気持ちのことを言っている時は「しんどい・疲れた」の意味です。
関西でよく耳にするのが、「疲れた」「しんどい」という意味の「えらい」です。体がつらい時や、大変な作業をした後によく使われます。
しんどいの意味の例文
- 「階段上がるの、えらいわ」(=階段を上るの、しんどいよ)
- 「昨日の引っ越し、ほんまにえらかった」(=昨日の引っ越し、本当に疲れた)
- 「この坂、自転車やとえらいな」(=この坂、自転車だときついね)
- 「熱あって体えらいねん」(=熱があって体がつらいんだ)
「えらい」と「しんどい」は、ほぼ同じような場面で使われます。年配の方を中心に「えらい」、若い世代は「しんどい」と言うことが多い、と感じる人もいます。
関西以外でも「しんどい」の意味で使う
実は、「えらい」をしんどいの意味で使うのは、関西だけではありません。中部地方や中国地方などでも、同じような意味で使われることがあります。
『じゃあ、関西弁と言っていいの?』と思うかもしれません。関西だけの言葉ではありませんが、関西でもよく使われる言い方の一つです。
「えらい」「しんどい」「疲れた」の使い分け
『全部同じ意味なら、どれを使ってもいいの?』と思いますよね。意味は近いですが、関西で聞く時の響きには少しずつ違いがあります。
| 言い方 | よく使う場面 | 例文(標準語訳) |
|---|---|---|
| えらい | 体を使った後・坂や階段 | 「この坂、えらいなあ」(=この坂、きついね) |
| しんどい | 体も気持ちも疲れた時 | 「今週ずっと残業でしんどいわ」(=今週ずっと残業でつらいよ) |
| 疲れた | 関西でもふつうに使う | 「今日は疲れたわ」(=今日は疲れたよ) |
「しんどい」は気持ちのつらさにも使いやすい言葉です。一方の「えらい」は、体のきつさを言う時によく聞くと感じる人もいます。
「えらそう」は2つの意味になる
しんどいの意味の「えらい」に「そう」が付くと、少しややこしくなります。「えらそう」には、二つの受け取り方があるからです。
| 言い方 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| えらそうやな(体を見て) | しんどそうだね | 「顔色悪いで、えらそうやな」(=顔色が悪いよ、しんどそうだね) |
| えらそうに(態度を見て) | 偉ぶっている | 「えらそうに言うて」(=偉そうに言って) |
心配して「えらそうやな」と声をかけたのに、相手が「偉そう」と受け取ってむっとする、というすれ違いも起こりえます。関西以外の人には「しんどそうだね」と言う方が、気持ちがまっすぐ伝わりますよ。
「えらい」と言われた時、体調が悪いのか、ただ疲れているだけなのか分かりにくいこともあります。心配な時は「大丈夫?休む?」と声をかけてみてください。
「とても・ずいぶん」の意味のえらい
「えらい混んでる」「えらい寒い」のように、えらいの後ろに様子や状態を表す言葉が続く時は「とても・ずいぶん」の意味です。
関西弁の「えらい」は、程度が大きいことを表す言葉としても使われます。標準語の「とても」「ずいぶん」「すごく」に近い意味です。
とてもの意味の例文
- 「えらい混んでんな」(=ずいぶん混んでるね)
- 「今日はえらい寒いなあ」(=今日はとても寒いね)
- 「えらい早いやん、どないしたん?」(=ずいぶん早いじゃない、どうしたの?)
- 「えらいぎょうさん買うてきたな」(=ずいぶんたくさん買ってきたね)
「えらい」は、驚きや意外な気持ちがこもりやすいのが特徴です。「思っていたより混んでる」「いつもより早い」というように、予想外の時によく使われますよ。
「めっちゃ」との違い
同じ「とても」の意味でも、「めっちゃ」と「えらい」では少しニュアンスが違います。
- 気持ちを素直に強める
- うれしいことにも使いやすい
- 若い世代もよく使う
- 驚きや意外さがこもりやすい
- 大変なことにも使いやすい
- 年配の方を中心によく使う
例えば「めっちゃおいしい」は自然ですが、「えらいおいしい」は少し驚いた感じになります。めっちゃの使い方は、「めっちゃ」は関西弁?意味と語源で詳しく紹介しています。
お礼やおわびを強める「えらい」
「えらい」は、お礼やおわびの言葉を強める時にも使われます。少し丁寧で、気持ちのこもった言い方になります。
- 「えらいすんません、助かりました」(=本当にすみません、助かりました)
- 「えらいおおきに」(=どうもありがとうございます)
- 「えらい待たせてしもて、ごめんな」(=ずいぶん待たせてしまって、ごめんね)
「おおきに」は関西弁の「ありがとう」です。年配の方を中心に、お店や近所づきあいの中で耳にすることがありますよ。
「大変な」の意味のえらい
「えらいこっちゃ」「えらい目にあった」のように、こと・目・もんなどの名詞の前に付く時は「大変な・ひどい」の意味です。
関西弁の「えらい」は、「大変な」「ひどい」という意味でも使われます。思いがけない出来事や、困ったことが起きた時の言い方です。
大変なの意味の例文
- 「えらいこっちゃ、鍵忘れてきた」(=大変だ、鍵を忘れてきた)
- 「雨に降られて、えらい目にあったわ」(=雨に降られて、ひどい目にあったよ)
- 「えらいことになってもうたな」(=大変なことになってしまったね)
「えらいこっちゃ」は「えらいことや」が縮まった言い方で、関西の慌てた場面を表す言葉としてよく知られています。
「えらい」が名詞の前に付く言い方は、ほかにもいろいろあります。
- 「えらいもん見てしもたな」(=すごいものを見てしまったね)
- 「えらい人出やなあ」(=すごい人出だね)
- 「えらい雨やったな」(=ひどい雨だったね)
「えらいもん」「えらい人出」は、「大変な」というより「すごい」に近い意味です。驚きの大きさを伝える言葉だと考えると、どの例もしっくりきますよ。
会話の中ではこんな感じ
「電車止まってるらしいで」(=電車が止まってるらしいよ)
「えらいこっちゃ、遅刻してまうやん」(=大変だ、遅刻しちゃうじゃない)
こんなふうに、少し慌てた気持ちを表す時にぴったりの言葉です。深刻すぎる場面より、日常のちょっとしたハプニングで使われることが多いですよ。
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えらいの意味を見分けるコツ
- えらいの後ろに言葉が続くか、文の最後かを見る
- 文の最後なら「しんどい・疲れた」か「偉い」を考える
- 様子の言葉が続くなら「とても・ずいぶん」と考える
- こと・目などの名詞が続くなら「大変な」と考える
- 褒める場面かどうかで「偉い」を見分ける
えらいの意味は、文の形に注目するとほとんど見分けられます。迷った時は、上の順番で考えてみてください。
| 文の形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 〜えらいわ/えらかった | しんどい・疲れた | 「今日えらいわ」 |
| えらい+様子の言葉 | とても・ずいぶん | 「えらい寒い」 |
| えらい+こと・目など | 大変な・ひどい | 「えらい目にあった」 |
| 人を褒める場面で | 偉い・立派 | 「えらいなあ」 |
「えらいなあ」はどっち?
一番迷いやすいのが、文の最後に来る「えらいなあ」です。これは、場面で判断します。
- 子どもが手伝いをした時の「えらいなあ」(=偉いね)
- 重い荷物を運んだ後の「えらいなあ」(=しんどいね)
相手が頑張ったことを褒めているのか、自分や相手の疲れをねぎらっているのかで意味が変わります。表情や声の調子も、大事なヒントになりますよ。
もう一つのヒントは、前後の言葉です。「よう頑張ったな」「かしこやな」と続けば褒め言葉、「重かったやろ」「暑かったやろ」と続けばねぎらいの言葉だと考えると分かりやすいですよ。
関西以外の人が「えらい」を使う時の注意
「しんどい」の意味で「えらい」と言うと、関西以外の人には「偉い」と受け取られることがあります。体調を伝えたい時などは、言い換えた方が確実です。
関西以外の人に「今日えらいわ」と言うと、「何が偉いの?」と聞き返されることがあります。特に体調を伝える場面では、すれ違いが困りごとにつながることも。
逆に関西の人の「えらい」を聞いた時も、どの意味か分からなかったら遠慮なく聞いて大丈夫です。
関西の人に「えらいわ」と言われた時の返し方
関西の人に「今日えらいわ」と言われたら、疲れをねぎらう言葉を返すのが自然です。
- 「お疲れさま、ゆっくり休んでね」(=疲れをねぎらう返事)
- 「ほんまにえらかったなあ」(=本当にしんどかったね。関西弁で返す場合)
うっかり「すごいね」と褒めてしまうと、話がかみ合わなくなることもあります。「えらいわ」は「疲れた」の合図と覚えておくと、会話がスムーズになりますよ。
体調を伝える時の言い換え例
体調の話は、伝わらないと困る場面です。関西の言い方と、関西以外の人に伝わりやすい言い方を並べておきますね。
- 「朝からえらいねん」なら「朝から体がだるいんです」
- 「えらいから早退するわ」なら「具合が悪いので早退します」
- 「階段えらかった」なら「階段がきつかったです」
「えらい」を使わなくても、「だるい」「きつい」と言えば誤解はまず起きません。相手が関西の人かどうか分からない時は、こちらを選んでおくと安心です。
| 場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 関西の家族・友達と | 「えらいわ」でOK |
| 関西以外の友達と | 「しんどい」「疲れた」と言う |
| 体調を伝える時 | 「体がつらい」「熱っぽい」と具体的に |
| 職場の会話 | 「とても」「大変」と言い換える |
『関西弁っぽく話してみたいけど、誤解されたら困る』という方もいますよね。まずは関西の人との会話で「えらい混んでるね」のように、とてもの意味から使ってみるのがおすすめです。
関西弁全体の特徴は関西弁とは?特徴と使われる地域、ほかの言葉は関西弁一覧で紹介しています。
よくある質問
関西弁の「えらい」はどういう意味ですか?
主に「しんどい・疲れた」「とても・ずいぶん」「大変な」の3つの意味で使われます。標準語と同じ「偉い」の意味でも使います。
「えらい」をしんどいの意味で使うのは関西だけですか?
関西だけではなく、中部地方や中国地方などでも使われることがあります。関西でもよく使われる言い方の一つです。
「えらいこっちゃ」とはどういう意味ですか?
「大変なことだ」という意味です。「えらいことや」が縮まった言い方で、思いがけないことが起きた時に使います。
「えらいなあ」は褒め言葉ですか?
褒め言葉のこともあれば、「しんどいね」の意味のこともあります。相手が頑張ったことを褒める場面なら「偉いね」、疲れをねぎらう場面なら「しんどいね」と考えると分かりやすいです。
「えらそうやな」と言われたら悪口ですか?
体の具合を心配して「しんどそうだね」と言っている場合もあります。態度について言う「偉そう」とは別なので、場面と声の調子で判断してみてください。
「えらいすんません」はどういう意味ですか?
「本当にすみません」という意味です。「えらい」がおわびの気持ちを強めていて、少し丁寧で気持ちのこもった言い方になります。
関西以外の人がえらいを使ってもいいですか?
関西の人との会話なら問題なく伝わります。関西以外の人には、「しんどい」「とても」と言い換えると誤解が起きにくいです。
まとめ
- 関西弁の「えらい」は「しんどい・とても・大変な」の意味でも使う
- 文の最後なら「しんどい」、様子の言葉が続けば「とても」の意味
- 「えらいこっちゃ」は「大変なことだ」という意味
- しんどいの意味は中部・中国地方などでも使われる
- 関西以外の人には言い換えると誤解が起きにくい





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