当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。
ふだん何気なく「ややこしい話やな」と言っていて、ふと『これって関西弁なの?』と気になった方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、ややこしいはもともと関西方面の言葉とされ、今では全国で使われるようになった言葉です。この記事では、関西弁としての意味と使い方を、例文と標準語訳つきで見ていきます。
「ややこしい」は関西弁?答えは「もとは関西の言葉」
「ややこしい」は、もとは関西方面の言葉とされ、今は全国で使われている言葉です。意味は「複雑」「面倒」「こみいっている」で、関西でも関西以外でも大きくは変わりません。
ややこしいは、テレビや本でもふつうに出てくる言葉ですよね。そのため、関西以外の人の多くは方言だと意識せずに使っています。
ただ、もとをたどると関西の話し言葉から広まったと言われています。関西の人が「標準語だと思っていた」という言葉の代表格でもあるんです。
- 「話がややこしなってきたな」(=話が複雑になってきたね)
- 「その手続き、ややこしいねん」(=その手続き、面倒なんだ)
- 「ややこしいこと言わんといて」(=面倒なことを言わないで)
関西の人がよく使い、全国の人も使う。そんな「境目があいまいな言葉」と考えると分かりやすいですよ。
関西で使うと関西弁らしく聞こえる理由
ややこしい自体は全国で通じます。それでも関西弁らしく聞こえるのは、前後に関西弁の語尾や言い回しが付くことが多いからです。
例えば「ややこしいわあ」「ややこしなるやん」「ややこしいねんて」のように言います。単語より、こうした言い方とセットで「関西っぽさ」が出ているんです。
似たように、全国に広まった関西の言葉はほかにもあります。「めっちゃ」は関西弁?もその一つで、ややこしいと並べて語られることがよくあります。
関西弁の「ややこしい」の意味は?3つの使い方
- 話や仕組みが複雑で分かりにくい
- 手間がかかって面倒
- 人や関係がこじれていて扱いにくい
関西弁のややこしいの意味は、大きく分けると3つです。どれも「すっきりしない」「手を焼く」という感覚でつながっています。
| 使い方 | 意味 | 例文 | 標準語訳 |
|---|---|---|---|
| 話・仕組み | 複雑で分かりにくい | 「説明がややこしいねん」 | 説明が分かりにくいんだ |
| 作業・手続き | 手間がかかって面倒 | 「この書類ややこしいわ」 | この書類は面倒だなあ |
| 人・関係 | こじれていて扱いにくい | 「あの二人、ややこしいことになってんで」 | あの二人、こじれたことになってるよ |
| 状況 | ごちゃごちゃしている | 「道がややこしいから迎えに行くわ」 | 道が入り組んでいるから迎えに行くよ |
「複雑で分かりにくい」の意味
いちばんよく使うのが、話や仕組みが分かりにくい時です。説明を聞いてもすっと頭に入らない時に、「ややこしいなあ」と言います。
- 「ルールがややこしすぎて覚えられへん」(=ルールが複雑すぎて覚えられない)
- 「ややこしい言い方せんと、はっきり言うて」(=回りくどい言い方をしないで、はっきり言って)
- 「地図見てもややこしいて分からへんわ」(=地図を見ても複雑で分からないよ)
「手間がかかって面倒」の意味
手続きや作業が面倒な時にもよく使います。「難しい」より「手間がかかる」に近い感覚ですね。
- 「乗り換えがややこしいねん」(=乗り換えが面倒なんだ)
- 「ややこしい作業は後回しにしとこ」(=面倒な作業は後回しにしておこう)
「人や関係がこじれている」の意味
人について「ややこしい人」と言うと、扱いにくい人、話がこじれやすい人という意味になります。少し悪口に近くなるので、本人の前では使わない方が無難です。
- 「あの人、ちょっとややこしいとこあるからな」(=あの人、少し扱いにくいところがあるからね)

「ややこしなる」「ややこしい」の関西弁らしい言い方
関西では「ややこしくなる」を「ややこしなる」と、「く」を落として言うことがよくあります。これが関西弁らしく聞こえる大きなポイントです。
標準語では「ややこしくなる」「ややこしくて」と言いますよね。関西では「く」を抜いて、「ややこしなる」「ややこして」のように言うことが多いんです。
| 標準語 | 関西弁でよく聞く形 | 例文(標準語訳) |
|---|---|---|
| ややこしくなる | ややこしなる | 「話ややこしなるから黙っとき」(=話が複雑になるから黙っていなさい) |
| ややこしくて | ややこしゅうて/ややこしくて | 「ややこしゅうてかなんわ」(=面倒で困るよ) |
| ややこしいね | ややこしいなあ | 「これ、ややこしいなあ」(=これ、複雑だね) |
| ややこしいんだ | ややこしいねん | 「説明ややこしいねん」(=説明が分かりにくいんだ) |
| ややこしいじゃない | ややこしいやん | 「それ余計ややこしいやん」(=それ、かえって複雑じゃない) |
| ややこしい | ややこし | 「あーややこし」(=ああ、面倒だ) |
「あーややこし」のように、最後の「い」を落として独り言のように言うこともあります。面倒な時についこぼれる、関西でよく聞く言い方ですね。
「ややこしゅうて」は、年配の方を中心に聞く少し古風な形です。今は「ややこしくて」とそのまま言う人も多いですよ。
会話の中ではこんな感じ
「次の会議、何時からやったっけ?」(=次の会議、何時からだったっけ?)
「それが変更になって、ややこしなってんねん」(=それが変更になって、ややこしくなってるんだ)
もう一つ、道案内の場面も見てみましょう。
「駅からの道、分かる?」(=駅からの道、分かる?)
「ちょっとややこしいから、着いたら電話して」(=少し入り組んでいるから、着いたら電話して)
場面別の例文
ややこしいは、家でも職場でも出かけ先でも出てきます。よく耳にする場面ごとに、例文を並べておきますね。
家の中では、片付けや家電の操作でよく使います。
- 「このリモコン、ボタン多すぎてややこしいわ」(=このリモコン、ボタンが多すぎて分かりにくいよ)
- 「配線ややこしなってるから触らんといて」(=配線がこんがらがっているから触らないで)
仕事や学校では、手続きや段取りの話で使うことが多いです。
- 「申し込みの手順がややこしいねん」(=申し込みの手順が面倒なんだ)
- 「予定ころころ変わるから、ややこしてしゃあないわ」(=予定がよく変わるから、複雑で仕方ないよ)
人間関係の話では、少し声をひそめて使う人もいます。
- 「その話、ややこしなるから今はやめとこ」(=その話は面倒なことになるから、今はやめておこう)
- 「ややこしいことに巻き込まれたらあかんで」(=面倒なことに巻き込まれたらだめだよ)
『どれも標準語でも言えそう』と感じた方も多いはずです。その通りで、ややこしいは意味がそのまま通じるので、語尾だけ関西弁になっていると考えると覚えやすいですよ。
「ややこしいわ」と言われた時の返し方
関西の人に「それややこしいわ」と言われても、怒っているとは限りません。多くは「分かりにくいね」「面倒やね」くらいの軽い気持ちです。
返す時は、「ほんまやな」(=本当だね)と相づちを打つか、「ほな簡単に言うな」(=じゃあ簡単に言うね)と言い直すと自然です。
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標準語での「ややこしい」の使われ方との違い
- 日常会話で気軽に何度も使う
- 「ややこしなる」「ややこし」と形が崩れる
- 人や関係にもよく使う
- 書き言葉やかしこまった場面でも使う
- 「ややこしくなる」と崩さない形が多い
- 「複雑」「面倒」と言い換えることも多い
『関西でも関東でも、意味は同じなの?』と思った方もいるはずです。意味の中心はほぼ同じなので、関西の人と話していて意味が食い違う心配はまずありません。
違いが出るのは、使う回数と形です。関西では日常の会話で軽く口に出すことが多く、語尾も関西弁の形に変わります。
関西以外では、ややこしいは少し改まった響きで使われることもあります。ニュースや文章で「ややこしい問題」と書かれても、違和感はありませんよね。
「複雑」「面倒」「難しい」との違い
ややこしいと似た言葉に「複雑」「面倒」「難しい」があります。どれも近い意味ですが、少しずつ感じが違います。
| 言葉 | 感じ | 例 |
|---|---|---|
| ややこしい | こみいっていて、すっきりしない | 「話がややこしい」 |
| 複雑 | 要素が多く入り組んでいる | 「仕組みが複雑」 |
| 面倒 | 手間がかかって気が進まない | 「手続きが面倒」 |
| 難しい | 理解したりできたりしにくい | 「問題が難しい」 |
ややこしいは、「複雑」と「面倒」の両方の気持ちが混ざった言葉です。だからこそ、日常のいろいろな場面で使いやすいんです。
「ややこしい」の語源は?いくつかの説
ややこしいの語源には、いくつかの説があります。方言の語源ははっきりしないことが多いので、「こういう説もある」くらいに受け止めておきましょう。
ややこしいの語源としてよく挙げられるのが、赤ちゃんを指す古い言葉「やや」「ややこ」と結びつける説です。赤ちゃんの世話のように手がかかる様子から来た、とも言われます。
ただ、これも一つの説にすぎません。ほかの由来を挙げる人もいて、どれか一つに決まっているわけではないんです。
『語源が分からないと使いにくい?』と思うかもしれません。でも、意味と使い方さえ押さえておけば、ふだんの会話で困ることはありませんよ。
関西以外の人が「ややこしい」を使う時の注意
- 「ややこしい」そのものは全国で通じる
- 「ややこしなる」は関西弁らしい形
- 人に使う時は悪口に聞こえないよう注意
- かしこまった場では「複雑」「分かりにくい」に
ややこしいは全国で通じるので、関西以外の人が使っても不自然ではありません。関西の人と話す時も、気負わず使ってみてください。
注意したいのは、人に向けて使う時です。「あなた、ややこしいね」と言うと、「面倒な人」と言っているように聞こえることがあります。
| 場面 | 使いやすさ | 言い方の例 |
|---|---|---|
| 友達・家族との会話 | 使いやすい | 「これ、ややこしいなあ」 |
| 職場の雑談 | おおむね使える | 「ちょっとややこしい件で」 |
| 目上の人への報告 | 言い換えが無難 | 「少し複雑な状況です」 |
| 人の性格について | 避けた方が無難 | 言わずに具体的に伝える |
関西弁の形の「ややこしなる」を真似する時は、語尾やリズムまで関西風にしないと少しぎこちなく聞こえることもあります。まずは「ややこしい」のまま使うのがおすすめです。
関西の人が「方言だと思っていない」ことも
関西の人の中には、ややこしいを方言だと思わずに使っている方も多いはずです。全国で通じるので、上京しても言い換える必要がほとんどないからなんです。
そのため「ややこしいって関西弁なん?」(=ややこしいって関西弁なの?)と聞くと、驚かれることもあります。
会話のちょっとした話題にもなる言葉ですね。
関西の人が標準語だと思って使っている言葉は、ほかにもあります。片付けることを「なおす」と言う使い方もその一つです。
詳しくは関西弁の「なおす」の意味、ほかの言葉は関西弁一覧にまとめています。関西弁そのものについては関西弁とは?で紹介しています。
よくある質問
「ややこしい」は関西弁ですか?
もとは関西方面の言葉とされ、今は全国で使われている言葉です。関西以外の人も方言と意識せずに使っています。
関西弁の「ややこしい」はどういう意味ですか?
「複雑で分かりにくい」「手間がかかって面倒」「人や関係がこじれている」という意味です。標準語での意味と大きくは変わりません。
「ややこしなる」とはどういう意味ですか?
「ややこしくなる」の関西弁らしい言い方です。関西では「く」を落として言うことがよくあります。
「ややこしい人」とはどんな人ですか?
扱いにくい人、話がこじれやすい人という意味で使われます。悪口に近くなるので、本人の前では使わない方が無難です。
ややこしいの語源は何ですか?
赤ちゃんを指す古い言葉「やや」「ややこ」と結びつける説がありますが、はっきりとは分かっていません。
関西以外の人が「ややこしい」と言っても変じゃないですか?
変ではありません。全国で通じる言葉なので、そのまま使って大丈夫です。「ややこしなる」の形は関西弁らしい言い方なので、慣れないうちは「ややこしくなる」で十分です。
まとめ
- 「ややこしい」はもとは関西方面の言葉とされ、今は全国で使われる
- 意味は「複雑」「面倒」「こじれている」の3つ
- 関西では「ややこしなる」「ややこし」と形が崩れることが多い
- 人に使うと悪口に聞こえることがあるので注意
- 語源は「やや(赤ちゃん)」と結びつける説などがある





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