当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。
関西の人に「それいらわんといて」と言われて、『いらうって何をすること?』と手が止まってしまったことはありませんか。
結論から言うと、関西弁の「いらう」は「触る」「いじる」という意味の言葉です。この記事を読めば、いらうの意味と使い方、「いろた」などの形、「触る」との違いまで分かります。
関西弁の「いらう」とは?意味は「触る・いじる」
関西弁の「いらう」は、手で触る・いじるという意味です。「それいらわんといて」なら「それ、触らないで」という意味になります。
いらうは、大阪など関西の広い地域で使われる動詞です。物に手を出して触ったり、いじったりする時によく使われますよ。
例えば、こんな言い方をします。
- 「それいらわんといて」(=それ、触らないで)
- 「誰がこれいろたん?」(=誰がこれを触ったの?)
- 「あんまりいらうと壊れるで」(=あまりいじると壊れるよ)
『「いらいら」や「いらち」と関係あるの?』と思った方もいるはずです。音は似ていますが、いらうは「触る」の意味で、気持ちを表す「いらいら」とは別の言葉として覚えておきましょう。
いらうは「触る」より手を動かすイメージ
いらうは、ただ指先で触れるだけでなく、手に取っていじり回すような場面でよく使われます。標準語の「いじる」に近い感覚、と考えるとつかみやすいですよね。
そのため「触らんといて」と「いらわんといて」は、ほぼ同じ意味で使われます。ただ、いらうの方が『あれこれいじらないで』という気持ちが少し強く出ることもあるんです。
いらうをふだん使うかどうかは、地域や世代、家庭によってかなり違います。関西の人でも「聞いたことはあるけど言わない」という方もいるので、使い方の一つとして知っておきましょう。
「いらう」の形の変わり方
- 触らないで=いらわんといて
- 触った=いろた
- 触ってみて=いろてみ
- 触らない=いらわへん・いらわん
いらうは、後ろに付く言葉によって形が変わります。特に「いろた」「いろて」は、関西弁らしい変わり方なので最初は聞き取りにくいかもしれませんね。
関西弁では「言った」を「言うた」と言うように、「う」の音に変わる言い方がよくあります。いらうも同じ流れで、「いらった」ではなく「いろた」と言うことが多いんです。
| 標準語 | 関西弁 | 例文 |
|---|---|---|
| 触る・いじる | いらう | 「すぐいらう」(=すぐいじる) |
| 触らない | いらわへん/いらわん | 「もういらわへん」(=もう触らない) |
| 触らないで | いらわんといて | 「これいらわんといて」(=これ、触らないで) |
| 触った | いろた | 「ちょっといろただけや」(=少し触っただけだよ) |
| 触って | いろて | 「いろてみ」(=触ってみて) |
| 触ったら | いろたら | 「いろたらあかん」(=触ったらだめ) |

「いらわんといて」は頼む言い方
「いらわんといて」は、「いらわん(触らない)」に「といて(〜しておいて)」が付いた形です。相手に「触らないでね」とお願いする、よく使う言い方ですよ。
もっと強く止めたい時は「いろたらあかん」(=触ったらだめ)のように言います。「あかん」は「だめ」という意味の関西弁ですね。
止め方の強さで言い方が変わる
いらうを使って「触らないで」と伝える言い方は、いくつもあります。相手や場面に合わせて、やわらかさを選べるのが便利なところです。
| 関西弁 | 標準語訳 | 強さの目安 |
|---|---|---|
| いらわんといてな | 触らないでね | やわらかい |
| いらわんとき | 触らないでおきなさい | ふつう |
| いらわんといて | 触らないで | ふつう |
| いろたらあかんで | 触ったらだめだよ | 少し強め |
| いらうなって | 触るなってば | 強め |
「いらうなって」は、何度言っても触られる時などに出る言い方です。言われた側は『そろそろやめとこ』と思うくらいの合図ですね。
一方で「いらわんといてな」は、お願いの気持ちが前に出るやさしい言い方です。迷ったら、こちらを使っておくと角が立ちにくいですよ。
いらうの使い方と例文
- 子どもが物を触ろうとした時
- 置いてある物を勝手に動かされた時
- 傷や髪などをいじるのを止める時
- 機械や道具をいじる時
いらうは、日常のいろいろな場面で使われます。ここでは場面ごとの例文を紹介しますね。
物を触る時の例文
- 「お店の商品、いらわんときや」(=お店の商品は触らないでおきなさいね)
- 「机の上の書類、いろてへん?」(=机の上の書類、触ってない?)
- 「ここの線はいらわん方がええで」(=ここのコードは触らない方がいいよ)
体のことで使う例文
- 「傷いろたらあかんで」(=傷を触ったらだめだよ)
- 「前髪ばっかりいろてるな」(=前髪ばかりいじっているね)
- 「かゆうても、いらわんとき」(=かゆくても、触らないでおきなさい)
体のことで使ういらうは、家族が心配して声をかける場面でよく聞かれます。注意というより気づかいの言葉として出てくることが多いですよ。
物を勝手に動かされた時の例文
置いておいた物の場所が変わっていた時にも、いらうはよく出てきます。責めるというより、確かめる時の言い方として使われることが多いんです。
- 「ここに置いてた鍵、誰かいろた?」(=ここに置いていた鍵、誰か触った?)
- 「わたしの机、いらわんといてって言うたやん」(=わたしの机は触らないでって言ったじゃない)
- 「いろたんやったら、元に戻しといてな」(=触ったのなら、元に戻しておいてね)
機械や道具をいじる例文
- 「設定いろたら戻されへんようになった」(=設定をいじったら戻せなくなった)
- 「ちょっといろてみたら直ったわ」(=少しいじってみたら直ったよ)
- 「わからんのにいらわんといて」(=分からないのにいじらないで)
会話の中ではこんな感じ
「これ、ちょっと見てもええ?」(=これ、少し見てもいい?)
「見るのはええけど、いらわんといてな」(=見るのはいいけど、触らないでね)
こんなふうに、見るのと触るのを分けてお願いする時にもよく使われます。
もう一つ、家族の間のやりとりも見てみましょう。
「リモコンどこいったん?」(=リモコン、どこに行ったの?)
「さっき弟がいろてたで」(=さっき弟がいじってたよ)
子どもに声をかける時の言い方
いらうは、小さい子に注意する時によく使われる言葉です。きつく叱るというより、手が伸びたところで止めるような軽い声かけが多いんです。
- 「熱いから、いろたらあかんよ」(=熱いから、触ったらだめだよ)
- 「ママのやから、いらわんといてな」(=ママのだから、触らないでね)
- 「見るだけな、いらうのはなしやで」(=見るだけね、触るのはなしだよ)
理由をひと言添えると、子どもも『なんで?』とならずに聞いてくれやすくなります。「熱いから」「割れるから」のように、短い理由で十分ですよ。
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「いらう」と「触る」「いじる」の違い
- 関西を中心に使われる
- 手に取っていじる感じが強め
- 「いらわんといて」の形が定番
- 全国で使われる標準語
- 指先で触れるだけでも使う
- どんな相手にもそのまま通じる
いらうと「触る」は、ほとんど同じ場面で使えます。違いが出るのは、手の動かし方のイメージくらいだと考えておくと分かりやすいですよ。
「いじる」はいらうにかなり近い言葉です。関西の人の会話では、いらう・触る・いじるが同じ場面で入れ替わって使われることもよくあります。
| 言葉 | 意味の中心 | 例文 |
|---|---|---|
| いらう | 手で触る・いじる | 「それいらわんといて」(=それ、触らないで) |
| 触る | 手や体が触れる | 「肩に触る」 |
| いじる | 手であれこれ動かす | 「スマホをいじる」 |
「触る」をいらうに置き換えにくい場面
いらうは手でいじる感じがある言葉なので、なんでも「触る」と入れ替えられるわけではありません。体が少し触れただけ、という場面にはあまり使わないんです。
- 「肩が触れた」は、いらうに言い換えると不自然になりやすい
- 「手で触って確かめる」くらいなら、いらうでも通じる
- 「スマホをいじる」は、「スマホいらう」と言っても自然
『どこまで言い換えていいの?』と迷った時は、手であれこれ動かしているかどうかで考えてみてください。手を動かしている場面なら、いらうがしっくりくることが多いですよ。
関西の動作の言葉はほかにもある
関西には、いらうのように動作を表す独特の言葉がいくつもあります。片付けることを「なおす」、捨てることを「ほかす」と言うのも、その一つですね。
- 「使たらなおしといてな」(=使ったら片付けておいてね)
- 「それほかしといて」(=それ、捨てておいて)
「なおす」の詳しい使い方は関西弁の「なおす」の意味で紹介しています。ほかの動作の言葉は関西弁の動作の言葉一覧にまとめています。
関西以外の人が「いらう」を使う時の注意
いらうを知らない人に「いらわないで」と言うと、意味が伝わらず聞き返されることがあります。初めての相手には「触らないで」と言い換えるか、意味を言い添えておきましょう。
いらうは、関西の外ではあまり知られていない言葉です。関西以外の人に使うと、何を言われたのか分からないこともあります。
また、「いらわんといて」は短く言うと少しきつく聞こえることもあります。語尾に「な」を付けて「いらわんといてな」と言うと、やわらかい響きになりますよ。
| 場面 | 使いやすさ | ひと工夫の例 |
|---|---|---|
| 家族や親しい友達との会話 | 使いやすい | 「いらわんといてな」 |
| 関西の人に冗談まじりに | 相手による | 笑いながら言ってみる |
| 関西以外の人に | 伝わらないことがある | 「触らないで」と言い換える |
| 仕事や初対面の場面 | 避けた方が無難 | 「触れないでください」 |
使ってみるならこの一言から
関西の友達との会話で使ってみたい方は、短い一言から試すのがおすすめです。意味がはっきりしているので、関西の人にも伝わりやすいですよ。
- 「それ、いろてもええ?」(=それ、触ってもいい?)
- 「ちょっといろてみてもええかな」(=少しいじってみてもいいかな)
- 「ごめん、いろてもうた」(=ごめん、触ってしまった)
イントネーションまでまねしようとしなくて大丈夫です。言葉そのものを覚えて使ってみるだけでも、会話のきっかけになります。
聞いた時に意味が分かれば十分
『使いこなせる自信がない』という方は、まず聞き取れるようになることから始めてみてください。「いら」と聞こえたら「触る」かな、と思い出すだけで、話の意味がぐっとつかみやすくなります。
関西弁がどんな言葉なのか全体を知りたい方は、関西弁とは?特徴と使われる地域もあわせて読んでみてください。ほかの言葉は関西弁一覧で紹介しています。
よくある質問
関西弁の「いらう」とはどういう意味ですか?
「触る」「いじる」という意味です。「それいらわんといて」なら「それ、触らないで」という意味になります。
「いろた」とはどういう意味ですか?
「いらう」の過去の形で、「触った」「いじった」という意味です。「誰がいろたん?」なら「誰が触ったの?」となります。
いらうと触るの違いは何ですか?
ほとんど同じ意味で使えます。いらうの方が、手に取ってあれこれいじる感じが少し強く出ることがあります。
いらうは「いらいら」と関係がありますか?
音は似ていますが、いらうは「触る」の意味で、気持ちを表す「いらいら」とは別の言葉として考えておくのがよいでしょう。
関西の人はみんな「いらう」を使いますか?
そうとは限りません。地域や世代、家庭によって使うかどうかが違い、関西の人でもふだんは言わないという方もいます。
「いらわんといて」はきつい言い方ですか?
強い言い方ではありませんが、短く言うと少しきつく聞こえることがあります。語尾に「な」を付けて「いらわんといてな」と言うと、やわらかい響きになります。
関西以外の人が「いらう」を使ってもいいですか?
親しい関西の人との会話なら、冗談まじりに使っても問題ないことが多いです。関西以外の人や仕事の場面では「触らないで」と言う方が確実に伝わります。
まとめ
- 関西弁の「いらう」は「触る・いじる」という意味
- 「いらわんといて」「いろた」「いろて」などの形でよく使われる
- 「触る」とほぼ同じで、手でいじる感じが少し強め
- 「いらいら」「いらち」とは別の言葉
- 関西以外の人には「触らないで」と言い換えると伝わりやすい





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