関西弁の動詞一覧|ねぶる・はつる・くくる・ひよるの意味と例文

関西弁の動詞一覧を表すアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。

「髪くくっとき」「そこでこけたらあかんで」と言われて、『くくる?こける?』と首をかしげたことはありませんか。

結論から言うと、関西弁の動詞は、標準語と同じ動作を別の言葉で言うものと、標準語にもある言葉を少し違う意味で使うものがあります。この記事を読めば、よく使う動作の言葉の意味と使い方が、標準語訳つきの例文で分かります。

目次

関西弁の動詞一覧|まずは表でチェック

先に結論

関西弁の動詞は、「口や体の動き」「手を使う動作」「片付ける・捨てる」「気持ちや態度」の4つに分けると覚えやすいです。

動作の言葉は、毎日の会話にとてもよく出てきますよね。まずは、関西でよく耳にする動詞を一覧にしました。大阪など関西の広い地域で聞かれる言い方です。

関西弁標準語例文(標準語訳)
ねぶるなめる「指ねぶったらあかん」(=指をなめたらだめ)
しがむ噛む・しゃぶる「スルメしがんでる」(=スルメを噛んでいる)
こける転ぶ「段差でこけた」(=段差で転んだ)
ぐねる足をくじく「足ぐねってん」(=足をくじいたの)
くくるしばる・結ぶ「髪くくっとき」(=髪を結んでおきなさい)
はつる削る/ピンハネする「角をちょっとはつって」(=角を少し削って)
つる机などを持ち上げて運ぶ「机つって」(=机を運んで)
なおす片付ける「使たらなおしといてな」(=使ったら片付けておいてね)
ほかす捨てる「それほかしといて」(=それ捨てておいて)
ほる放る・捨てる「そこにほっといて」(=そこに放っておいて)
ひよる怖気づく「本番前にひよってもうた」(=本番前に怖気づいてしまった)
ほたえるふざけて騒ぐ「家の中でほたえなや」(=家の中でふざけて騒がないで)
いがむゆがむ「この棚、いがんでるで」(=この棚、ゆがんでるよ)
いこる炭火がおこる「炭、いこってきたな」(=炭火がおこってきたね)
けつわる途中で投げ出す「途中でけつわったらあかん」(=途中で投げ出したらだめ)

『知っている言葉と知らない言葉が半々くらい』という方も多いはずです。ここからは、動作の種類ごとに詳しく見ていきますね。

関西弁の動詞と標準語の対応を並べた早見図

標準語と同じ音でも意味が違う動詞に注意

関西弁の動詞でつまずきやすいのは、知らない言葉よりも「知っている音なのに意味が違う」言葉です。聞き間違えやすい組み合わせを並べてみました。

  • なおす:標準語では「修理する」、関西では「片付ける」の意味でもよく使う
  • ほる:標準語では「掘る」を思い浮かべやすいが、関西では「放る・捨てる」の意味がある
  • つる:標準語では「吊る」、関西などでは「机を持ち上げて運ぶ」の意味がある
  • しまう:標準語の「片付ける」の意味は、関西では「なおす」と言うことが多い

『そういう意味だったのか』と思った言葉があれば、その言葉から覚えるのがおすすめです。聞き間違いが減るだけで、関西の人との会話がぐっと楽になりますよ。

ほかの言葉も五十音で探したい方は、関西弁一覧もあわせて見てみてください。

口や食べる動作の関西弁|ねぶる・しがむ・しゅんでる

先に結論

口の動きでは、なめるの「ねぶる」、噛む・しゃぶるの「しがむ」がよく知られています。味が染みることを「しゅんでる」と言うのも関西らしい言い方です。

食べる時の言葉は、家庭の会話でよく出てくるので、関西の人にはなじみ深いですよね。標準語との違いも分かりやすいところです。

「ねぶる」はなめる

「ねぶる」は、なめるという意味の関西弁です。子どもが指やあめをなめている時に、大人が声をかける場面でよく耳にします。

  • 「あめちゃん、ねぶってたらなくなるで」(=飴、なめてたらなくなるよ)
  • 「指ねぶるのやめとき」(=指をなめるのはやめておきなさい)

年配の方を中心に使われる言い方で、若い世代は「なめる」と言う人も多いです。

「しがむ」は噛む・しゃぶる

「しがむ」は、口の中で何度も噛んだり、しゃぶったりすることです。スルメやガムのように、長く噛むものに使うことが多いですね。

  • 「スルメしがんでたら、あごが疲れたわ」(=スルメを噛んでいたら、あごが疲れたよ)
  • 「骨までしがんでるやん」(=骨までしゃぶってるじゃない)

「しゅんでる」は味が染みている

「しゅんでる」は、煮物などに味がよく染みている様子を言う言葉です。「しゅむ(染む)」という言い方から来ていると言われます。

  • 「この大根、ようしゅんでるわ」(=この大根、よく味が染みてるね)
  • 「一晩おいたら、もっとしゅむで」(=一晩おいたら、もっと味が染みるよ)

おでんや煮物の話で出てくると、いかにも関西の食卓らしいひと言なんです。

「食べる」は関西弁でも「食べる」

『関西弁で「食べる」は何て言うの?』と思う方もいますよね。実は、関西でもふつうに「食べる」を使います。

関西らしさが出るのは、否定や誘いの言い方です。例えば次のように変わります。

標準語関西弁
食べない食べへん
食べようよ食べよ/食べよや
食べちゃった食べてもた
ごちそうになるよばれる

「ほな、よばれます」(=それでは、ごちそうになります)は、すすめられた食べ物をいただく時の言い方です。

体の動きの関西弁|こける・ぐねる・けつまづく

先に結論

転ぶことを「こける」、足をくじくことを「ぐねる」と言うのが関西でよく聞く言い方です。「ひねる」「けつまづく」「つんのめる」は、標準語に近い言い方です。

体の動きの言葉は、ケガやちょっとした失敗の場面で使います。言われた時にすぐ意味が分かると、慌てずにすみますよね。

「こける」は転ぶ

関西では、転ぶことを「こける」と言うことが多いです。標準語にもある言葉ですが、関西では日常の言い方としてとてもよく使います。

  • 「雨の日はこけやすいから気いつけや」(=雨の日は転びやすいから気をつけてね)
  • 「階段でこけそうになったわ」(=階段で転びそうになったよ)

「ぐねる」は足をくじく

「ぐねる」は、足首をくじくことです。『ぐねった』と言われたら、足首を軽くひねったという意味なんです。

  • 「段差で足ぐねってん」(=段差で足をくじいたの)
  • 「ぐねったとこ、まだ痛いわ」(=くじいたところ、まだ痛いよ)

標準語の「足をひねる」とほぼ同じ意味です。関西では「ひねった」とも「ぐねった」とも言います。

「けつまづく」「つんのめる」との違い

「けつまづく」は、足先が何かに引っかかってつまずくことです。標準語の「つまずく」を強めた、くだけた言い方として各地で聞かれます。

「つんのめる」は、勢いで前に倒れそうになることです。こちらは標準語でもよく使う言葉です。

関西でよく聞く言い方
  • こける(転ぶ)
  • ぐねる(足をくじく)
  • こけそうになる(倒れそうになる)
標準語に近い言い方
  • ひねる(足首をひねる)
  • けつまづく(つまずく)
  • つんのめる(前に倒れそうになる)

手を使う・片付ける動作の関西弁|くくる・はつる・なおす

先に結論

手を使う動作では、しばるの「くくる」、削るの「はつる」、机を運ぶ「つる」がよく知られています。片付けは「なおす」、捨てるは「ほかす」「ほる」です。

手を使う動作は、家事や仕事の場面で出てきますよね。とくに「なおす」「ほかす」は、関西以外の人が聞き間違えやすい言葉です。

「くくる」はしばる・結ぶ

「くくる」は、ひもや髪をしばったり結んだりすることです。「髪をくくる」は、関西でとてもよく聞く言い方ですね。

  • 「髪、くくってから行き」(=髪を結んでから行きなさい)
  • 「新聞、ひもでくくっといて」(=新聞をひもでしばっておいて)

標準語にも「くくる」はありますが、関西では「結ぶ」「しばる」の代わりにふだん使いする人が多いです。

「はつる」「へつる」は削る

「はつる」は、表面を少しずつ削ることです。転じて、人のお金の一部をこっそり取る(ピンハネする)という意味でも使われます。

  • 「板の角、ちょっとはつっとこか」(=板の角を少し削っておこうか)

「へつる」も、少しずつ削る・減らすという意味で使われる言葉です。「へちる」と言う人もいますが、使う地域ははっきりしません。

補足

「はつる」の「ピンハネする」意味は、聞く人によっては強く響きます。冗談でも、お金の話で人に向けて使うのは控えた方が安心です。

「つる」は持ち上げて運ぶ

机やテーブルを持ち上げて運ぶことを「つる」と言います。学校の掃除の時間に「机つって」と言うのは、関西だけでなく東海の一部でも聞く言い方です。

  • 「机、後ろにつっといて」(=机を後ろに運んでおいて)

「さらう」「ずる」も動作の言葉

鍋の底に残ったものを、きれいに取り切ることを「さらう」「さらえる」と言うことがあります。「おかず、さらえといて」(=おかずを残さず食べちゃって)のように使われます。

「ずる」は、物を引きずるように動かすことです。「椅子ちょっとずって」(=椅子を少しずらして)、「ズボン、ずってきた」(=ズボンがずり落ちてきた)のように聞かれます。

片付けは「なおす」、捨てるは「ほかす」「ほる」

関西では、片付けることを「なおす」と言います。標準語の「しまう」、関東などで聞く「かたす」と同じ意味です。

標準語関西弁例文(標準語訳)
しまう・片付けるなおす「おもちゃ、なおしとき」(=おもちゃを片付けなさい)
捨てるほかす「いらん紙、ほかしといて」(=要らない紙を捨てておいて)
放る・捨てるほる「そこにほっといたらあかん」(=そこに放っておいたらだめ)
〜てしまう〜てまう/〜てもた「忘れてもた」(=忘れてしまった)

『直してって言われたのに、どこも壊れてない』と戸惑うのは、関西以外の人がつまずきやすいところです。「なおす」の意味は、関西弁の「なおす」でくわしく紹介しています。

関西弁のなおす・ほかす・くくるの言い換え図

「ほかす」と「ほる」の違い

「ほかす」も「ほる」も「捨てる」に近い言葉ですが、少しだけ響きが違います。「ほかす」はゴミを捨てる時のふつうの言い方で、「ほる」は「放り出す」「ほったらかす」の感じが強めです。

  • 「古い雑誌、ほかしてええ?」(=古い雑誌、捨ててもいい?)
  • 「宿題ほって遊びに行ったらあかんで」(=宿題を放り出して遊びに行ったらだめだよ)

「ほったらかす」「ほっとく」も、この「ほる」の仲間だと考えると覚えやすいですね。

気持ちや態度の関西弁|ひよる・ほたえる・けつわる・いがむ

先に結論

気持ちや態度の言葉では、怖気づくの「ひよる」、ふざけて騒ぐの「ほたえる」、途中で投げ出すの「けつわる」がよく使われます。

気持ちを表す動詞は、友達どうしの軽い会話によく出てきます。少し強く聞こえる言葉もあるので、使う相手には気をつけたいところですね。

「ひよる」は怖気づく

「ひよる」は、いざという時に怖くなって引いてしまうことです。「ひよった」「ひよってる」のようにも使います。

  • 「告白するって言うてたのに、ひよったん?」(=告白するって言ってたのに、怖気づいたの?)
  • 「ひよらんと、言うてみ」(=怖がらずに、言ってみなよ)

今は関西に限らず、若い世代を中心に全国でも聞く言葉になっています。

「ほたえる」はふざけて騒ぐ

「ほたえる」は、子どもがはしゃいでふざけ回ることです。大人が子どもを注意する時の言葉として、年配の方を中心に使われます。

  • 「電車の中でほたえたらあかん」(=電車の中でふざけて騒いだらだめ)

「けつわる」は途中で投げ出す

「けつわる」は、やりかけたことを途中でやめて逃げ出すことです。少し乱暴な響きがあるので、親しい間柄で使う言葉です。

  • 「ここまで来て、けつわるんかいな」(=ここまで来て、投げ出すの?)

「いがむ」「いこる」は物の様子の動き

「いがむ」は、物がゆがむことです。「いこる」は、炭火が赤くおこってくることを言います。

  • 「この戸、いがんで閉まらへん」(=この戸、ゆがんで閉まらない)
  • 「炭がいこってきたら、肉のせよか」(=炭火がおこってきたら、肉をのせようか)

バーベキューで「いこってる?」と聞かれたら、炭に火がついたかどうかを聞かれているんですよ。

会話の中ではこんな感じ

気持ちや態度の言葉は、友達どうしの軽いやりとりで出てきます。例えば、次のような会話です。

「スピーチ、やっぱりやめとこかな」(=スピーチ、やっぱりやめておこうかな)
「ここまで練習したのに、ひよってどうすんねん」(=ここまで練習したのに、怖気づいてどうするの)

「子どもら、さっきからずっとほたえてるわ」(=子どもたち、さっきからずっとふざけて騒いでるよ)
「元気でええやん、外で遊ばしたろ」(=元気でいいじゃない、外で遊ばせてあげよう)

どちらも、相手を責めるというより、軽く背中を押したり、見守ったりする温度感です。言葉は少し強くても、気持ちはやわらかいことが多いんですね。

よくある失敗

「ひよる」「けつわる」は、相手の弱さを指摘する言葉にもなります。からかうつもりでも、相手が本当に悩んでいる時には使わないようにしましょう。

「〜しとる」「いてる」「はよ」動詞の形の関西らしさ

先に結論

関西弁の動詞は、単語そのものより「〜しとる」「〜へん」「いてる」のような形の変わり方に関西らしさがよく出ます。

『単語は標準語と同じなのに、なぜか関西弁に聞こえる』ということ、ありますよね。それは、動詞の後ろの形が変わっているからなんです。

「〜しとる」「〜しとう」は「〜している」

「〜している」は、関西では「〜してる」「〜しとる」と言います。神戸や播州では「〜しとう」と聞こえることもあります。

  • 「何しとるん?」(=何してるの?)
  • 「席、空いとる?」(=席、空いてる?)
  • 「雨降っとうで」(=雨降ってるよ・神戸など)

「いてる」は「いる」

関西では、「いる」を「いてる」と言うことがあります。「おる」と言う人もいて、地域や場面で使い分けられています。

  • 「先生、まだいてはる?」(=先生、まだいらっしゃる?)
  • 「家にいてるよ」(=家にいるよ)

「はよ」は「早く」

「はよ」は「早く」のことです。「はよしい」(=早くしなさい)、「はよ行こ」(=早く行こう)のように動詞と一緒に使います。

標準語関西弁ひと言メモ
しているしてる/しとる神戸・播州では「しとう」
いるいてる/おる「いてはる」は軽い敬意
来ない来えへん/けえへん地域差が大きい
早くしなさいはよしい親しい相手への軽い命令
やめなさいやめときやわらかい言い方

「かく」「潰れる」など標準語と同じように使う動詞

「汗をかく」「いびきをかく」の「かく」は、関西でも標準語と同じように使います。「いびきかいとったで」(=いびきをかいてたよ)のように、形だけが関西弁になるんです。

「潰れる」「壊れる」も同じように使いますが、物が壊れることを「めげる」と言う地域もあります。「傘めげてもた」(=傘が壊れちゃった)のように聞かれますよ。

もっと会話の流れの中で動詞を見たい方は、関西弁の日常会話も参考にしてみてください。

関西弁ドットコム

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関西以外の人が関西弁の動詞を使う時の注意

先に結論

「こける」「くくる」「なおす」は、関西以外の人が使っても自然になじみやすい言葉です。「けつわる」「はつる」のように強く響く言葉は、意味を知っておくだけにしておくと安心です。

動詞は使う回数が多いので、覚えると関西の会話についていきやすくなります。ただ、いきなり全部を使おうとすると、かえって不自然に聞こえることもあるんです。

言葉使いやすさひと言アドバイス
こける・くくる使いやすい標準語にもある言葉なので自然
なおす・ほかす慣れてきたら相手が関西の人なら通じやすい
ねぶる・しがむ・しゅむ場面を選べばOK食べ物の話で
ひよる親しい相手だけからかいに聞こえないように
けつわる・はつる知っておくだけで十分強く響くことがある
使う前のチェック
  • 相手が関西の人か、関西弁に慣れている人かを確かめる
  • 仕事や目上の人との会話では標準語にする
  • 強く聞こえる言葉は冗談の場面でも控えめにする

自分の文がどんな関西弁になるか試してみたい時は、関西弁変換ツールを使ってみてください。よく使う言葉をまとめて知りたい方は、関西弁でよく使う言葉もおすすめです。

よくある質問

関西弁の「はつる」はどういう意味ですか?

表面を少しずつ削るという意味です。転じて、お金の一部をこっそり取る(ピンハネする)という意味で使われることもあります。

「ねぶる」は関西弁ですか?

なめるという意味で、大阪など関西で聞かれる言い方です。年配の方を中心に使われます。

「くくる」は関西弁ですか?

標準語にもある言葉ですが、関西では「髪をくくる」のように「結ぶ・しばる」の意味でふだんからよく使います。

「ひよる」の意味は何ですか?

いざという時に怖気づいて引いてしまうことです。今は関西に限らず、若い世代を中心に全国で使われています。

「いこってる」とはどういう意味ですか?

炭火が赤くおこっている様子のことです。バーベキューや七輪の場面で「炭、いこってきたな」のように使います。

関西弁で「しまう」は何と言いますか?

「なおす」と言います。「使たらなおしといてな」(=使ったら片付けておいてね)のように使います。

まとめ

この記事の要点
  • 口の動きは、ねぶる(なめる)・しがむ(噛む)・しゅむ(味が染みる)
  • 体の動きは、こける(転ぶ)・ぐねる(足をくじく)
  • 手の動作は、くくる(しばる)・はつる(削る)・つる(机を運ぶ)
  • 片付けは「なおす」、捨てるは「ほかす」「ほる」
  • 気持ちは、ひよる(怖気づく)・ほたえる(ふざけて騒ぐ)
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関西弁ドットコム 編集部

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