関西人が標準語だと思ってる関西弁|実は方言だった言葉

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当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。

関東の人に普通に話したつもりが「それ、どういう意味?」と聞き返されて驚いた経験はありませんか。生まれた時から使っている言葉ほど、方言だとは気づきにくいものですよね。

結論から言うと、関西人が標準語だと思ってる関西弁の多くは、漢字で書けたり標準語と同じ形をしていたりする言葉なんです。

この記事では、実は関西弁だった言葉を例文と標準語訳つきで紹介し、標準語に言い換えるコツまで分かるようにしています。

目次

関西人が標準語だと思ってる関西弁とは?

先に結論

標準語だと思っていた関西弁は、毎日の暮らしの中で何気なく使う言葉に多くあります。「方言っぽい響き」が無いので、関西以外で通じないと知るまで気づかないんです。

関西弁と聞くと、「〜やねん」「〜へん」のような語尾を思い浮かべる方が多いですよね。語尾は自分でも方言だと分かっているので、関東に行けば自然と標準語に切り替えられます。

厄介なのは、単語の方です。たとえば「なおす」や「押しピン」は、どこから見ても普通の日本語に見えます。

方言だと気づきにくい言葉の3つのタイプ

タイプ気づきにくい理由例
標準語と同じ形で意味が違う言葉そのものは全国にあるなおす・えらい・また・自分
漢字で書けそうな言葉辞書に載っていそうに見える押しピン・飲みさし
響きが方言っぽくない言葉カタカナ語や普通の動詞に聞こえるフレッシュ・カッターシャツ・ほかす

『それ、普通に学校でも言ってたけど…』と思った方もいるはずです。学校や家庭など周りがみんな使っていれば、標準語かどうか確かめる機会がありませんよね。

もう一つの理由は、関西だけでなく西日本の広い地域で使われている言葉があることです。たとえば「なおす(片付ける)」は西日本の多くで使われるので、方言だと気づく場面がさらに少なくなります。

方言だと気づくのは、たいてい関西を出た時

実は関西弁だった言葉に気づくのは、進学や就職で関西を離れた時が多いと言われます。周りに関西以外の出身の人が増えて、初めて「通じない」場面に出会うからです。

たとえば、引っ越し先の職場でこんなやりとりがあったとします。

「このファイル、もうほかしてええ?」(=このファイル、もう捨てていい?)

「ほかすって、どこか別の場所に移すってこと?」

言った側は普通の日本語のつもりなので、聞き返されて逆にびっくりしてしまいますよね。こうした小さなすれ違いを何度か経験して、自分の言葉の中にある関西弁に気づいていくわけです。

関西人が標準語だと思ってる関西弁の3つのタイプをまとめた図解

関西弁そのものの特徴を先に知りたい方は、関西弁とは?から読むとつながりが分かりやすいです。

標準語と意味が違うのに気づかない関西弁

先に結論

いちばん気づきにくいのは、標準語と同じ形で意味が違う言葉です。相手も知っている言葉なので、聞き返されずに誤解されたままになることがあります。

ここで挙げる言葉は、関西の人が関東で使って「あれ?」となりやすい代表です。どれも関西では、ごく当たり前に使う言葉なんです。

なおす(=片付ける)

関西では「なおす」を「片付ける」「元の場所にしまう」の意味で使います。修理の意味でも使うので、関西の人の中では二つの意味が自然に同居しています。

  • 「使たらなおしといてな」(=使ったら片付けておいてね)
  • 「冬服、そろそろなおそか」(=冬服、そろそろしまおうか)

関東の人には「直す=修理する」の意味しかないことが多く、『どこか壊れてるの?』と聞き返されることがあります。

えらい(=しんどい・とても)

「えらい」には、関西では「しんどい」「疲れた」の意味があります。「えらい混んでる」のように「とても」の意味でも使います。

  • 「坂道ばっかりでえらいわ」(=坂道ばかりでしんどいよ)
  • 「えらい遅なってしもた」(=すごく遅くなってしまった)

「しんどい」の意味での「えらい」は、中部や中国地方などでも使われます。

また(=あとで・今度)

関西の「また」は、「再び」だけでなく「あとで」「今度」の意味でも使います。

  • 「その話はまた聞くわ」(=その話はあとで聞くね)

関東の人には「もう一回聞くの?」と受け取られることがあります。

自分(=あなた)

関西では、目の前の相手を「自分」と呼ぶ使い方があります。

  • 「自分、昨日どこおったん?」(=あなた、昨日どこにいたの?)

『自分って言われたら、こっちのこと?』と戸惑う関東の人は多いはずです。関西の人にとっては、親しみを込めた呼びかけの一つなんです。

関西の人はどうやって聞き分けている?

『二つも意味があって、関西の人は混乱しないの?』と思う方もいるかもしれません。関西の人は、前後の流れや一緒に使う言葉で自然に聞き分けています。

たとえば「なおしといて」と言われた時、目の前に使い終わった道具があれば「片付けて」、壊れたおもちゃがあれば「修理して」の意味です。「えらい」も、疲れた顔で言えば「しんどい」、「えらい人」なら「偉い」の意味になります。

関東の人が戸惑うのは、この聞き分けの手がかりを知らないからなんです。意味が二つあると知っておくだけで、聞き間違いはぐっと減りますよ。

関西の人の頭の中
  • なおす=片付ける(修理も)
  • えらい=しんどい・とても
  • また=あとで・今度
  • 自分=あなた(自分自身も)
関東で受け取られやすい意味
  • なおす=修理する
  • えらい=偉い
  • また=もう一回
  • 自分=話している本人

動作や様子を表す、実は関西弁だった言葉

先に結論

動作や様子を表す言葉にも、関西人が標準語だと思っていた言葉がたくさんあります。普通の動詞や形容詞に聞こえるので、通じないと言われて初めて方言だと知る方が多いんです。

ここからは、関東の人に聞き返されやすい動作・様子の言葉をまとめました。意味の目安と例文を並べています。

関西弁標準語の意味例文(標準語訳)
ほかす捨てる「それほかしといて」(=それ捨てておいて)
いらう触る・いじる「それいらわんといて」(=それ触らないで)
ぐねる足をくじく「階段で足ぐねってん」(=階段で足をくじいたんだ)
つる机などを持ち上げて運ぶ「机つるの手伝って」(=机を運ぶのを手伝って)
こける転ぶ「雨の日にこけてしもた」(=雨の日に転んでしまった)
こそばいくすぐったい「首こそばいわ」(=首がくすぐったいよ)
ぬくい暖かい「今日はぬくいなあ」(=今日は暖かいね)
しがむ噛む・しゃぶる「スルメしがんでる」(=スルメを噛んでる)

「ほかす」は標準語だと思われがち

「ほかす」は、関西の人が標準語だと思っていた言葉としてよく話題になる言葉です。「放下す(ほうかす)」から来たという説があります。

関東の人に「これほかしといて」と頼むと、どうしていいか分からず手が止まってしまうことがあります。大事な物ではないか確かめる意味でも、関東では「捨てておいて」と言い換えておくと安心です。

「つる」は関西だけの言葉ではない

「机をつる」は、関西だけでなく三重や名古屋など東海でも使われる言い方です。学校の掃除の時間に「机つって」と言われて育った方も多いのではないでしょうか。

関東の人には「吊るす」のように聞こえることがあります。同じ西日本や東海の出身同士だと通じるので、方言だと気づくのが遅れやすい言葉です。

「ぐねる」「こそばい」も通じないことがある

「足をぐねる」は、足首をひねってくじくことです。けがの場面で使う言葉なので、関東の人に伝わらないと少し困りますよね。

  • 「体育で足ぐねってもうた」(=体育で足をくじいてしまった)

「こそばい」は「くすぐったい」の意味で、関西ではかなり日常的に使われます。

「こける」「ぬくい」「しがむ」は通じる人もいる

「こける(転ぶ)」は、関東でも「すっ転ぶ」「ずっこける」のような形で耳にすることがあるので、通じる人もいます。ただ、関西のように「階段でこけた」とふだん使いする地域ばかりではありません。

「ぬくい(暖かい)」は「ぬくもり」と同じ系統の言葉なので、意味を推測してもらいやすい言葉です。「しがむ(噛む・しゃぶる)」は、関東の人には耳慣れないことが多いので、スルメやガムの話をする時は「噛む」と言った方が伝わります。

  • 「こたつぬくいなあ」(=こたつが暖かいね)
  • 「ガムずっとしがんでるやん」(=ガムをずっと噛んでるじゃない)
補足

動作の言葉は、地域や家庭によって使う・使わないの差が大きい分野です。同じ関西出身でも「それは言わない」という人もいるので、ここで挙げた意味は目安として見てください。

もっと多くの動作の言葉を知りたい方は、関西弁の動作の言葉一覧にまとめています。

物の呼び名や日にちで、実は関西弁だった言葉

先に結論

物の呼び名は、言った瞬間に相手の頭に何も浮かばないことがある分野です。ただし実物を見せれば通じるので、すれ違いは笑い話で終わることがほとんどです。

関西で暮らしていると当たり前の呼び名でも、関東の人には別の物を想像されることがあります。よく話題になる言葉を並べてみました。

関西弁標準語例文(標準語訳)
押しピン画鋲「プリント押しピンで留めといて」(=プリントを画鋲で留めておいて)
カッターシャツワイシャツ「明日はカッターシャツで行くわ」(=明日はワイシャツで行くよ)
フレッシュコーヒーミルク「フレッシュふたつちょうだい」(=コーヒーミルクを2つちょうだい)
モータープール駐車場「モータープール空いてるかな」(=駐車場空いてるかな)
飲みさし飲みかけ「飲みさしのお茶、置いといて」(=飲みかけのお茶、置いておいて)
さら新品「さらのタオル出しといたで」(=新品のタオルを出しておいたよ)
さぶいぼ鳥肌「怖い話聞いてさぶいぼ出た」(=怖い話を聞いて鳥肌が立った)
おとつい一昨日「おとついの晩に電話あった」(=一昨日の夜に電話があった)

「押しピン」と「カッターシャツ」

「押しピン」は、押して留めるピンなので標準語に聞こえますよね。関東では「画鋲」と呼ぶのが一般的です。

「カッターシャツ」はワイシャツのことです。スポーツ用品メーカーの商品名が由来という説があります。

「フレッシュ」と「モータープール」

喫茶店で「フレッシュください」と頼んで、関東の店員さんに首をかしげられることも。関東では「ミルク」「コーヒーフレッシュ」と言った方が伝わりやすいです。

「モータープール」は駐車場のことで、看板にも書かれているので関西の人には見慣れた言葉です。関東の人には『泳ぐプールのこと』と思われることもあるので、「駐車場」と言い換えておくと安心です。

「おとつい」は日にちの言い方

「おとつい」は「一昨日(おととい)」のことです。音が近いので、関西の人は言い間違いだと思われるまで方言だと気づかないことが多い言葉です。

家の中で使う呼び名にも実は関西弁がある

家族の中で自然に覚えた呼び名も、関西を出ると通じないことがあります。食べ物や身近な物に「さん」「ちゃん」を付ける言い方も、その一つです。

関西弁標準語例文(標準語訳)
あめちゃん飴「あめちゃん食べる?」(=飴食べる?)
おかいさんお粥「風邪の時はおかいさんやな」(=風邪の時はお粥だね)
かしわ鶏肉「かしわ買うてきて」(=鶏肉を買ってきて)
なすびなす「なすび焼こか」(=なすを焼こうか)

「あめちゃん」は、子どもに限らず大人同士でも使う言い方です。関東の人には少しかわいらしく聞こえることもあるようです。

「かしわ」や「なすび」は関西以外の地域でも使われることがあり、地域や世代によって通じ方が変わります。

物の呼び名をもっと見たい方は、関西弁の物の呼び名一覧もどうぞ。

逆に、関西弁から全国に広まった言葉

先に結論

「実は関西弁」と言われる言葉の中には、今では全国で普通に使われているものもあります。もともとの出どころが関西でも、今は標準語のように通じる言葉です。

関西弁の言葉が、テレビなどを通じて全国に広まったと言われる例もあります。こちらは「関西人が標準語だと思っていたら、本当に全国で通じるようになった」言葉と言えますね。

言葉意味例文(標準語訳)
めっちゃとても「めっちゃおいしい」(=とてもおいしい)
ややこしい複雑・面倒「話がややこしなる」(=話がややこしくなる)
知らんけど言い切った後の照れ隠し「たぶん明日晴れるで、知らんけど」(=たぶん明日晴れるよ、確かじゃないけど)

「めっちゃ」は「めちゃ」「めちゃくちゃ」から来た言葉で、テレビなどを通じて全国に広まったと言われます。「ややこしい」も、もとは関西方面の言葉とされ、今は全国で使われています。

ただし、使い方には今も違いが残っていることがあります。たとえば「ややこしい」を関西では「ややこしい人」のように人に使うこともあり、少し含みのある言い方になることも。

くわしくは「めっちゃ」は関西弁?や「ややこしい」は関西弁?で紹介しています。

補足

「知らんけど」が全国でどのくらい使われているかは、はっきりした数字があるわけではありません。関西の言い方として知られるようになった言葉、くらいに考えておくのがよさそうです。

方言だと気づいた時の言い換えと、使う時の注意

先に結論

方言だと気づいたら、全部を標準語にする必要はありません。誤解が困る場面でだけ、意味が二通りある言葉を言い換えれば十分です。

『関東に来たら、関西弁は全部直さないとだめなの?』と不安になる方もいるかもしれません。結論から言うと、ふだんの雑談ならそのままで大丈夫です。

困るのは、仕事の連絡や頼みごとのように、誤解されると手間がかかる場面です。そこだけ気をつけておきましょう。

通じなかった時の言い換え方
  1. 相手がきょとんとしたら、その言葉が方言かもしれないと考える
  2. 「片付ける」「捨てる」のような標準語に言い直す
  3. 「関西では〜って言うんです」と一言添えて、話のネタにする
  4. 仕事のメールや書類では、最初から標準語の言い方で書く

よく使う言い換え表

関西弁標準語での言い方例文の言い換え
なおす片付ける・しまう「なおしといて」を「片付けておいて」に
ほかす捨てる「ほかしといて」を「捨てておいて」に
いらう触る「いらわんといて」を「触らないで」に
えらいしんどい・疲れた「えらいわ」を「疲れたよ」に
押しピン画鋲「押しピン取って」を「画鋲取って」に

場面別:そのままでいい言葉、言い換えたい言葉

どの場面なら関西弁のままでいいか、目安を表にしてみました。迷った時の参考にしてみてください。

場面そのままで大丈夫な例言い換えておきたい例
友達との雑談めっちゃ・ほんま・押しピン特になし(通じなければ説明すればOK)
職場での頼みごとめっちゃ・ややこしいなおす・ほかす・また
仕事のメールや書類基本は標準語でなおす・えらい・おとつい
初対面の人との会話ほんま・めっちゃ自分(あなたの意味)・えらい

ポイントは、「誤解されたら困る言葉」だけ先に言い換えておくことです。それ以外は、通じなかった時にその場で説明すれば十分ですよ。

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関西以外の人が使う時の注意

関西以外の人が、こうした言葉を面白がって使ってみるのは楽しいですよね。ただ、意味が二通りある言葉は、関西の人以外との会話では誤解の元になります。

関西以外の人が使う前のチェック
  • 相手が関西出身で、言葉の意味を分かってくれるか
  • 仕事の場面や目上の人との会話ではないか
  • 「なおす」「えらい」のように別の意味に取られる言葉ではないか
  • 関西の言葉をからかう言い方になっていないか

関西の人の言葉に合わせてくれる気持ちは、たいていうれしく受け取ってもらえます。まずは親しい相手との雑談で、意味の分かりやすい言葉から使ってみてください。

標準語だと思っていた関西弁を言い換える時のポイントをまとめた図解

よくある質問

関西人が標準語だと思ってる関西弁で、よく話題になるのはどれですか?

「なおす(片付ける)」「ほかす(捨てる)」「押しピン(画鋲)」「おとつい(一昨日)」などがよく話題になります。どれも方言らしい響きが無く、通じないと言われて初めて気づく言葉です。

「なおす」は関西だけの言葉ですか?

片付けるの意味での「なおす」は、関西に限らず西日本の広い地域で使われています。関東では修理の意味で受け取られやすい言葉です。

標準語だと思っていた関西弁は、直した方がいいですか?

ふだんの会話なら直さなくて大丈夫です。仕事の連絡など誤解が困る場面でだけ、標準語に言い換えておくと安心です。

「めっちゃ」は今でも関西弁ですか?

もとは関西の言葉とされますが、今は全国で広く使われています。関西弁から全国に広まった言葉の代表と言えます。

関西以外の人が「なおす」を使っても大丈夫ですか?

関西の人との会話なら通じるので大丈夫です。ただ、関西以外の人との会話では修理の意味に取られやすいので、使う相手を選んでおくと安心です。

方言かどうか自分で確かめる方法はありますか?

国語辞典に方言と書かれているか確かめるのが手軽です。関西以外の出身の人に意味が通じるか聞いてみるのも、いちばん確かな方法の一つです。

まとめ

この記事の要点
  • 関西人が標準語だと思ってる関西弁は、方言らしい響きが無い言葉に多い
  • 「なおす」「えらい」「また」「自分」は標準語と同じ形で意味が違う
  • 「ほかす」「いらう」「ぐねる」など動作の言葉も関東では通じないことがある
  • 「押しピン」「フレッシュ」「おとつい」など物や日にちの言い方にも実は関西弁がある
  • 誤解が困る場面だけ標準語に言い換えれば十分
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関西弁ドットコム 編集部

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