関西弁の「パッチ」とは?ももひき・タイツとの違い

関西弁のパッチの意味を表すアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。

関西の家族に「寒いからパッチはいとき」と言われて、『パッチって何のこと?』ととまどった方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、関西弁のパッチは、ズボンの下にはく長い丈の「ももひき」「ズボン下」のことです。この記事を読めば、パッチの意味と使い方、ももひきやタイツとの違い、「必死のパッチ」の意味まで分かります。

目次

関西弁の「パッチ」とは?意味は「長いももひき」

先に結論

関西弁の「パッチ」は、ズボンの下にはく、足首までの長い丈の肌着(ももひき・ズボン下)のことです。寒い季節に、防寒のためにはく物を指します。

パッチは、大阪など関西の広い地域で使われてきた言葉です。特に年配の方を中心に、冬の肌着を指して「パッチ」と呼ぶことがよくあります。

例えば、こんな言い方をします。

  • 「寒いからパッチはいとき」(=寒いから、ももひきをはいておきなさい)
  • 「今日はパッチはいてきたから平気や」(=今日はももひきをはいてきたから平気だ)
  • 「パッチどこになおした?」(=ももひきをどこに片付けた?)

『パッチって、服の穴をふさぐ布のこと?』と思った方もいるはずです。関西弁のパッチは、それとは別の、はく物の名前なんです。

パッチと「ももひき」は同じ物?

パッチとももひきは、ほとんど同じ物を指すと考えて大丈夫です。どちらもズボンの下にはく、ぴったりした肌着ですね。

ただ、昔は丈の長さで呼び分けたという話もあります。長い物をパッチ、短い物をももひき、のように分けていた地域や家庭もあったと言われるんです。

今では、関西でも「ももひき」「ズボン下」と言う人がいますし、パッチと言う人もいます。どの言い方をするかは、地域や世代、家庭によってさまざまですよ。

例えば、同じ家の中でも、おじいちゃんは「パッチ」、親は「ももひき」、子どもは「インナー」と呼ぶこともあります。呼び方の違いから、世代の違いが見えてくるのもおもしろいところですね。

  • 「パッチてなに?インナーのこと?」(=パッチって何?インナーのこと?)
  • 「そうそう、昔からそう呼んでんねん」(=そうそう、昔からそう呼んでいるんだ)
地域や世代による差

パッチは年配の方を中心によく使われる言い方です。若い世代では、「タイツ」「レギンス」「インナー」と言うことも多くなっています。

パッチ・ももひき・タイツ・レギンスの違い

パッチ・ももひき
  • ズボンの下にはく肌着
  • 足首までの長い丈が中心
  • 主に防寒のためにはく
タイツ・レギンス
  • つま先まである物はタイツ
  • 足首までの物はレギンスとも
  • おしゃれ着として見せることも

『パッチとタイツは何が違うの?』という疑問は、よく出てきますよね。どちらも足にぴったりした物ですが、呼び方の背景が少し違います。

パッチやももひきは、昔からある「ズボン下」の呼び名です。一方のタイツやレギンスは、外から入ってきた呼び名で、見せるおしゃれ着として使うことも多いんです。

呼び名どんな物か主な場面例文
パッチ長い丈のももひき・ズボン下冬の防寒「パッチはいとき」(=ももひきをはいておきなさい)
ももひきズボンの下にはく肌着冬の防寒「ももひき出しといて」(=ももひきを出しておいて)
ズボン下ズボンの下にはく物の総称冬の防寒「ズボン下はいた?」(=ズボン下をはいた?)
タイツつま先まで覆う物が中心防寒・おしゃれ「黒のタイツ合わせよ」(=黒のタイツを合わせよう)
レギンス足首までの物が中心運動・おしゃれ「スカートの下にレギンスはこ」(=スカートの下にレギンスをはこう)
パッチ・ももひき・タイツの違いの早見図

関西の人が今「パッチ」と呼ぶ物

今の関西で「パッチ」と言うと、多くは冬用の肌着を指します。店で売っている防寒用のインナーパンツを、年配の方がパッチと呼ぶこともあります。

  • 「おじいちゃん、パッチ買うてきたで」(=おじいちゃん、ももひきを買ってきたよ)
  • 「このパッチ、ぬくいわ」(=このももひき、暖かいよ)

「ぬくい」は「暖かい」という意味の関西弁です。冬の会話では、パッチとセットでよく出てくる言葉ですね。

冬の家庭で聞くパッチの例文

パッチは、冬の朝や出かける前の会話でよく出てきます。家の中で聞く言い方をいくつか並べておきますね。

  • 「今日冷えるで、パッチはいて行き」(=今日は冷えるよ、ももひきをはいて行きなさい)
  • 「パッチはいたら、だいぶちゃうな」(=ももひきをはいたら、だいぶ違うね)
  • 「パッチ洗濯したから、たんすに入れといて」(=ももひきを洗濯したから、たんすに入れておいて)
  • 「もうパッチの季節やなあ」(=もうももひきが必要な季節だね)

「〜て行き」「〜とき」は、関西でよく聞くやわらかい命令の言い方です。家族を気づかう時の、あたたかい響きがある言い方なんです。

パッチと一緒に出てくる冬の関西弁

パッチの話をする時は、寒さを表す関西弁もよく一緒に出てきます。セットで覚えておくと、冬の会話がぐっと聞き取りやすくなりますよ。

関西弁標準語訳例文(標準語訳)
ぬくい暖かい「パッチはいたらぬくいわ」(=ももひきをはいたら暖かいよ)
ひやこい冷たい「床ひやこいな」(=床が冷たいね)
さぶいぼ鳥肌「寒うてさぶいぼ出たわ」(=寒くて鳥肌が立ったよ)
しんどいつらい・疲れた「寒いの、しんどいなあ」(=寒いのはつらいね)

タイツをパッチと呼ぶ?

女性用のタイツをパッチと呼ぶかどうかは、人によって違います。パッチはもともと男性の肌着のイメージが強いので、タイツとは分けて呼ぶ人が多いようです。

迷った時は、「タイツ」「レギンス」と言っておけば、関西でも関西以外でも通じますよ。

夏の「ステテコ」とはどう違う?

ももひきの仲間には、「ステテコ」もあります。ステテコは、ひざくらいまでの丈で、ゆったりした形の物を指すことが多いです。

パッチが冬の防寒用なのに対して、ステテコは夏に汗を吸わせたり、涼しく過ごしたりするためにはく物として知られています。季節と丈で分けて覚えておくと混ざりにくいですよ。

  • 「冬はパッチ、夏はステテコやな」(=冬はももひき、夏はステテコだね)
  • 「暑いからステテコでええわ」(=暑いからステテコでいいよ)

「必死のパッチ」とは?関西弁の意味と使い方

「必死」を強めた言い方

「必死のパッチ」は、「必死」をさらに強めた、関西でよく聞く言い方です。「死にものぐるいで」「全力で」に近い意味になります。

パッチという言葉は、「必死のパッチ」という言い回しでもよく知られています。はく物のパッチとは関係なく、「必死」を強めるための言い方なんです。

  • 「必死のパッチで走ったわ」(=死にものぐるいで走ったよ)
  • 「必死のパッチで勉強せなあかん」(=全力で勉強しないといけない)
  • 「みんな必死のパッチやったで」(=みんな本当に必死だったよ)
  • 「必死のパッチで探したけど、見つからへんかった」(=死にものぐるいで探したけど、見つからなかった)

なぜ「パッチ」が付くのかは、はっきりしません。語呂がよく、言いやすいから広まったとも言われます。

必死のパッチは関西以外でも通じる?

必死のパッチは、テレビなどで耳にすることもあり、関西以外でも知っている人はいます。ただ、ふだんの会話で使うのは関西の人が中心です。

関西以外の人に言うと、『パッチって何?』と聞き返されることもあります。その時は「必死を強めた関西の言い方やねん」(=必死を強めた関西の言い方なんだ)と添えると、話が盛り上がりますよ。

必死のパッチの使いどころ

必死のパッチは、少し笑いを含んだ言い方です。本当に大変な時でも、あとから振り返って話す時によく使われます。

場面例文標準語訳
遅刻しそうな時「必死のパッチで駅まで走った」死にものぐるいで駅まで走った
締め切り前「必死のパッチで仕上げたで」全力で仕上げたよ
試合や勝負「必死のパッチで守り切った」必死に守り切った
片付け「客来る前に必死のパッチでなおした」客が来る前に必死で片付けた

「なおした」は「片付けた」という意味です。関西弁の「なおす」については、関西弁の「なおす」の意味で詳しく紹介しています。

会話の中ではこんな感じ

「昨日の電車、間に合うたん?」(=昨日の電車、間に合ったの?)

「必死のパッチで走って、ぎりぎりやったわ」(=死にものぐるいで走って、ぎりぎりだったよ)

こんなふうに、がんばった話を少し大げさに、楽しく伝える時にぴったりの言い方です。聞いた方も思わず笑ってしまう、関西らしいやりとりですね。

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パッチの語源は?いくつかの説

語源ははっきりしない

パッチの語源には説があります。方言の語源ははっきりしないことが多いので、「こういう説もある」くらいに受け止めておきましょう。

パッチは、朝鮮語でズボンを指す言葉から来たという説があります。昔の交流の中で入ってきた言葉が、関西で肌着の名前として残った、とも言われるんです。

ただ、これもあくまで説の一つです。いつ、どこから入ってきたのかは、はっきりとは分かっていません。

『語源が分からないと覚えにくい?』と思うかもしれません。意味と使い方さえ押さえておけば、会話で困ることはありませんよ。

「パッチ」と聞き間違えやすい言葉

パッチという音は、ほかの言葉でもよく使われます。話の流れで、どれのことかを見分けましょう。

聞こえた言葉意味見分けのポイント
パッチ(関西弁)長いももひき寒さやはく話をしている
必死のパッチ死にものぐるいで「必死の」が前に付く
パッチ(布)穴をふさぐ当て布服の破れや修理の話
パッチテスト肌に合うかの確認化粧品や薬の話

関西以外の人が「パッチ」を使う時の注意

使う時のポイント
  • 関西以外では「ももひき」「ズボン下」が通じやすい
  • 若い世代には「インナー」「タイツ」が伝わりやすい
  • 「必死のパッチ」は冗談まじりの場面で
  • 改まった場では「全力で」「必死に」と言う

パッチは、関西以外ではあまり知られていない言い方です。関西の外の人に「パッチはいてきた」と言っても、意味が伝わらないことがあります。

親しい関西の人との会話なら、使ってみると話が弾むこともありますよ。初めての相手やお店では、「ももひき」「防寒インナー」と言った方が確実です。

場面使いやすさ言い方の例
関西の家族との会話使いやすい「パッチはいとき」
関西以外の人と伝わらないことがある「パッチ、つまりももひき」と添える
お店での買い物言い換えが無難「防寒用のインナーパンツ」
仕事の場「必死のパッチ」は避ける「全力で取り組みます」

『関西の人に合わせて使ってみたい』という方は、まず「必死のパッチ」から試してみるのがおすすめです。冗談まじりの話の中なら、関西の人にも楽しく受け取ってもらえますよ。

必死のパッチは、くだけた会話で使う言い方です。仕事の報告や目上の人への言葉としては、軽く聞こえることもあるので気をつけましょう。

関西には、ほかにも身の回りの物の独特な呼び名がたくさんあります。

関西弁の物の呼び名一覧や関西弁一覧もあわせて読んでみてください。関西弁そのものについては関西弁とは?で紹介しています。

よくある質問

関西弁の「パッチ」とは何ですか?

ズボンの下にはく、足首までの長い丈のももひき・ズボン下のことです。冬の防寒のためにはく物を指します。

パッチとももひきは違う物ですか?

ほとんど同じ物を指します。昔は丈の長い物をパッチ、短い物をももひきと呼び分けた地域や家庭もあったと言われます。

パッチとタイツの違いは何ですか?

パッチは主に男性用の防寒の肌着として呼ばれてきた言葉です。タイツはつま先まで覆う物が中心で、おしゃれ着として使うことも多い物です。

「必死のパッチ」とはどういう意味ですか?

「必死」をさらに強めた関西でよく聞く言い方で、「死にものぐるいで」「全力で」に近い意味です。はく物のパッチとは関係ありません。

パッチの語源は何ですか?

朝鮮語でズボンを指す言葉から来たという説がありますが、はっきりとは分かっていません。

若い人もパッチと言いますか?

年配の方を中心に使われる言い方で、若い世代では「タイツ」「レギンス」「インナー」と言うことも多くなっています。ただ、家族の影響でパッチと言う若い人もいます。

まとめ

この記事の要点
  • 関西弁の「パッチ」は長い丈のももひき・ズボン下のこと
  • 年配の方を中心に、冬の防寒用の肌着を指して使う
  • タイツやレギンスとは、呼び方の背景や使う場面が少し違う
  • 「必死のパッチ」は必死を強めた関西の言い方
  • 語源は朝鮮語でズボンを指す言葉から来たという説がある
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関西弁ドットコム 編集部

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