関西弁の「いわす」の意味|痛める・やっつけるの使い方と例文

関西弁のいわすの意味を表すアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。

関西の人が「腰いわしてもうた」と言うのを聞いて、『いわすって何?腰をどうしたの?』と気になった方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、関西弁の「いわす」は「痛める」「やっつける」という意味の言葉です。この記事を読めば、いわすの二つの意味と見分け方、例文、使う時に気をつけたいことまで分かります。

目次

関西弁の「いわす」とは?意味は「痛める・やっつける」

先に結論

関西弁の「いわす」には、体を痛めると相手をやっつけるの二つの意味があります。「腰いわした」なら「腰を痛めた」という意味になります。

いわすは、大阪など関西の広い地域で使われる動詞です。日常でよく聞くのは「腰いわした」「手首いわした」のような、体を痛めた時の言い方なんです。

例えば、こんな言い方をします。

  • 「重い荷物持って、腰いわした」(=重い荷物を持って、腰を痛めた)
  • 「階段で足首いわしてもうた」(=階段で足首を痛めてしまった)
  • 「大声出しすぎて喉いわしたわ」(=大声を出しすぎて喉を痛めたよ)

『やっつけるって、ちょっと怖い意味もあるの?』と思った方もいるはずです。実は、もう一つの意味はけんかの言葉に近く、使う場面がかなり限られます。

二つの意味の見分け方

いわすのどちらの意味かは、何を「いわす」のかで見分けられます。体の部分が来れば「痛める」、人が来れば「やっつける」と考えると分かりやすいですよ。

いわす対象意味例文
腰・足・手首など体の部分痛める「腰いわした」(=腰を痛めた)
喉や声痛める「喉いわした」(=喉を痛めた)
相手(人)やっつける「いわしたろか」(=やっつけてやろうか)
試合の相手チームなど負かす「今日の相手、いわしたろ」(=今日の相手を負かしてやろう)
地域や世代による差

いわすをふだん使うかどうかは、地域や世代、家庭によって違います。「腰いわした」は聞くけれど「いわしたろか」は言わない、という方も多いので、意味の一つとして知っておきましょう。

「腰いわす」は体を痛めた時の定番

日常で一番よく聞く使い方

「腰いわす」は、腰を痛めることを言う関西弁の定番の言い方です。ぎっくり腰のような急な痛みにも、なんとなく腰がつらい時にも使われますよ。

いわすの使い方で一番よく聞くのが「腰いわす」です。重い物を持ち上げた時や、急に体をひねった時などに「腰いわした」と言うんですね。

標準語の「痛める」と同じように、けがの大小に関係なく使えるのが便利なところです。『ちょっと痛い』くらいから『動けない』くらいまで、幅広く言えますよ。

体のいろいろな部分に使える

腰だけでなく、体のいろいろな部分にいわすは使えます。体を動かして痛めた時の言い方として覚えておくと、聞き取りやすくなりますよ。

  • 「ボール投げすぎて肩いわした」(=ボールを投げすぎて肩を痛めた)
  • 「ひねって手首いわしてん」(=ひねって手首を痛めたんだ)
  • 「歌いすぎて喉いわしてもうた」(=歌いすぎて喉を痛めてしまった)
  • 「段差でつまずいて膝いわした」(=段差でつまずいて膝を痛めた)

物を壊した時に使う人もいる

地域や人によっては、物を壊してしまった時にもいわすを使うことがあります。「痛める」の意味が、体から物にまで広がった使い方ですね。

  • 「自転車いわしてもうた」(=自転車を壊してしまった)

ただ、こちらはあまり一般的ではないので、「そういう言い方もある」くらいに知っておけば十分ですよ。

「いわす」の形の変わり方

よく聞くいわすの形
  • 痛めた=いわした
  • 痛めてしまった=いわしてもうた
  • やっつけてやろうか=いわしたろか
  • やっつけられた=いわされた

いわすは、標準語の「出す」「貸す」と同じように形が変わります。「いわした」「いわして」のように、「し」の音が入る形がよく聞かれますよ。

標準語関西弁例文
痛めるいわす「無理したら腰いわすで」(=無理したら腰を痛めるよ)
痛めたいわした「足いわした」(=足を痛めた)
痛めてしまったいわしてもうた「肩いわしてもうた」(=肩を痛めてしまった)
痛めないようにいわさんように「腰いわさんようにな」(=腰を痛めないようにね)
やっつけてやろうかいわしたろか冗談でも相手を選ぶ言い方
やっつけられたいわされた「試合でいわされた」(=試合で負かされた)
いわすの二つの意味の早見図

「いわさんようにな」は気づかいの言葉

「いわさんようにな」は、「痛めないようにね」という気づかいの言い方です。重い物を運ぶ人や、運動する人に声をかける時によく使われますよ。

「いわされた」は負けた時の言い方

「いわされた」は、やっつけられた、負かされたという意味です。スポーツやゲームで大負けした時に、自分のことを笑って言う形で使われることが多いんです。

いわすの使い方と例文

いわすがよく出てくる場面
  • 重い物を持って体を痛めた時
  • 運動や作業のしすぎで痛みが出た時
  • 体を気づかって声をかける時
  • スポーツやゲームで勝ち負けを話す時

いわすは、体の痛みの話を中心に、日常のいろいろな場面で使われます。ここでは場面ごとの例文を見ていきましょう。

体を痛めた時の例文

  • 「引っ越しの手伝いで腰いわしてん」(=引っ越しの手伝いで腰を痛めたんだ)
  • 「久しぶりに走ったら、ふくらはぎいわした」(=久しぶりに走ったら、ふくらはぎを痛めた)
  • 「寝違えて首いわしたかもしれん」(=寝違えて首を痛めたかもしれない)

作業や家事の場面の例文

いわすは、仕事や家事で体を使った後の話にもよく出てきます。疲れや痛みを、少し笑いまじりに伝えられる言葉なんです。

  • 「草むしりしすぎて腰いわしたわ」(=草むしりをしすぎて腰を痛めたよ)
  • 「パソコンばっかり見てて首いわしそうや」(=パソコンばかり見ていて首を痛めそうだ)
  • 「布団干す時に肩いわさんようにな」(=布団を干す時に肩を痛めないようにね)

「いわしそう」は「痛めそう」という意味です。まだ痛めてはいないけれど、このままだと危ないという時にも使えますよ。

気づかう時の例文

  • 「その箱重いから、腰いわさんようにな」(=その箱は重いから、腰を痛めないようにね)
  • 「無理したらいわすで、ゆっくりしい」(=無理したら痛めるよ、ゆっくりしなさい)
  • 「手首いわしたん?大丈夫?」(=手首を痛めたの?大丈夫?)

「ゆっくりしい」の「しい」は、「〜しなさい」をやわらかく言う関西弁です。いわすと一緒に使うと、相手を思いやる言葉になりますよ。

勝ち負けの話で使う例文

  • 「昨日の試合、えらいいわされたわ」(=昨日の試合、ひどく負かされたよ)
  • 「次はいわしたるで」(=次はやっつけてやるよ)

スポーツやゲームの話なら、こうした言い方も笑い話として出てきます。ただ、人に向けて言う形なので、冗談だと分かる相手との会話にとどめておきましょう。

会話の中ではこんな感じ

「どないしたん、歩き方おかしいで」(=どうしたの、歩き方がおかしいよ)

「昨日、重いもん持って腰いわしてもうてん」(=昨日、重い物を持って腰を痛めてしまったんだ)

こんなふうに、体の調子を話す時に何気なく出てくる言葉です。

気づかう側の返事も見てみましょう。

「ほんまに?今日は無理せんときや」(=本当に?今日は無理しないでおきなさいね)

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「いわしたろか」は乱暴な言い方なので注意

よくある失敗

「いわしたろか」は「やっつけてやろうか」という意味の乱暴な言い方です。冗談のつもりでも、関西以外の人や初対面の人、目上の人に言うと、本気でけんかを売っているように受け取られることがあります。

いわすの「やっつける」の意味は、もともとけんかの言葉に近いものです。関西の人同士でも、ふだんの会話で気軽に使うことはあまり多くありません。

テレビのお笑いなどで聞いて『関西弁っぽいから使ってみたい』と思う方もいるかもしれませんね。ただ、言葉の中身は相手を痛めつけることなので、使う場面はかなり選ぶ必要があります。

「痛める」の意味なら使いやすい

一方で、「腰いわした」のような体を痛めた時の使い方は、乱暴な響きはありません。自分のけがや痛みを話すだけなので、関西の人との会話でも気軽に使えますよ。

使い方使いやすさひと工夫の例
「腰いわした」など自分の痛み使いやすいそのまま使ってよい
「いわさんようにな」と気づかう使いやすいやさしいトーンで言う
試合の勝ち負けの話相手による冗談だと分かる相手だけ
「いわしたろか」と人に向ける避けた方が無難使わない

『どこまでならいいの?』と迷った時は、自分の体のことを話す時だけ使う、と決めておくと安心です。

痛い・つらい時のほかの関西弁

体の調子を話す時には、いわすのほかにも関西らしい言葉がよく使われます。一緒に覚えておくと、関西の人の話がぐっと聞き取りやすくなりますよ。

関西弁標準語訳例文
しんどい疲れた・つらい「今日しんどいわ」(=今日は疲れたよ)
えらいしんどい・疲れた「階段えらいわ」(=階段はきついよ)
いわす痛める「腰いわした」(=腰を痛めた)

いわすは「どこかを痛めた」、しんどい・えらいは「体全体がつらい」という時によく使われます。『腰いわしてしんどいわ』のように、組み合わせて言うこともありますね。

関西以外の人が「いわす」を使う時の注意

使いやすい場面
  • 自分が体を痛めた話をする時
  • 相手の体を気づかう時
  • 関西の友達との気軽な会話
避けたい場面
  • 人に向けて「いわしたろか」と言う時
  • 初対面や目上の人との会話
  • 仕事や改まった場面

いわすは、関西の外ではあまり知られていない言葉です。関西以外の人に「腰いわした」と言うと、『何をしたの?』と聞き返されることもあります。

関西以外の人に話す時は、「腰を痛めた」と言い換えておくと確実に伝わります。関西の人との会話なら、自分の痛みの話でいわすを使うと、ちょっとした親しみが出ますよ。

使ってみるならこの一言から

関西の友達との会話で使ってみたい方は、自分の体のことを話す一言から試すのがおすすめです。乱暴な響きが出ないので、安心して使えますよ。

  • 「ちょっと腰いわしてん」(=ちょっと腰を痛めたんだ)
  • 「肩いわさんように気ぃつけるわ」(=肩を痛めないように気をつけるよ)

関西には、いわすのように動作を表す独特の言葉がたくさんあります。片付けることを言うなおすもその一つです。

ほかの言葉は関西弁一覧で、関西弁の全体像は関西弁とは?特徴と使われる地域で紹介しています。

よくある質問

関西弁の「いわす」とはどういう意味ですか?

「痛める」と「やっつける」の二つの意味があります。日常でよく聞くのは「腰いわした(=腰を痛めた)」のような、体を痛めた時の使い方です。

「腰いわす」とはどういう意味ですか?

「腰を痛める」という意味です。重い物を持った時などに「腰いわした」と言います。

「いわしたろか」はどういう意味ですか?

「やっつけてやろうか」という意味の乱暴な言い方です。冗談の場面でも相手を選ぶ言葉なので、使う時は気をつけましょう。

「いわされた」とはどういう意味ですか?

「やっつけられた」「負かされた」という意味です。スポーツやゲームで大負けした時に、自分のことを笑って話す形でよく使われます。

「喉いわした」とはどういう意味ですか?

「喉を痛めた」という意味です。大声を出しすぎたり、歌いすぎたりして声が出にくくなった時などに使われます。

いわすの二つの意味はどう見分けますか?

何をいわすのかで見分けます。腰や足など体の部分なら「痛める」、人に向けて言う時は「やっつける」の意味になります。

関西の人はみんな「いわす」を使いますか?

そうとは限りません。地域や世代、家庭によって使うかどうかが違い、「腰いわした」は言うけれど「いわしたろか」は言わない方も多くいます。

関西以外の人がいわすを使ってもいいですか?

自分の体を痛めた話をする時なら、関西の友達との会話で使っても問題ないことが多いです。人に向けて「いわしたろか」と言うのは避けておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 関西弁の「いわす」は「痛める」「やっつける」という意味
  • 日常でよく聞くのは「腰いわした」など体を痛めた時の使い方
  • 体の部分が来れば「痛める」、人に向けると「やっつける」の意味
  • 「いわしたろか」は乱暴な言い方なので、冗談でも相手を選ぶ
  • 関西以外の人には「腰を痛めた」と言い換えると伝わりやすい
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関西弁ドットコム 編集部

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