当サイトの記事は編集部が関西弁の一般的な使われ方を調べて独自に執筆しています。意味や使い方は地域・世代によって違うことがあります。
関西の人が「先生、もう来はった」と話すのを聞いて、『これって敬語なの』と不思議に思ったことはありませんか。くだけた話し方の中に、なんとなく丁寧な響きがありますよね。
結論から言うと、関西弁の敬語の中心は「〜はる」で、相手を軽く立てる気持ちと親しみを一緒に表す言い方です。この記事では、「〜はる」の作り方と使い方、標準語の敬語との違い、面接やビジネスでのマナーが分かります。
関西弁の敬語「〜はる」とは?
「〜はる」は、「〜なさる」「〜される」くらいの軽い尊敬を表す関西弁です。標準語の「いらっしゃる」ほどかしこまらず、相手への敬意と親しみを同時に込められるのが特徴です。
関西弁の「はる」は、動詞の後ろに付けて使います。「先生が来はる」なら「先生がいらっしゃる」「先生が来られる」に近い意味です。
標準語の敬語は、相手との距離をきちんと取るための言葉ですよね。一方で「〜はる」は、目上の人にも、近所の人にも、ときには身内にも使われる、やわらかい敬意なんです。
「〜はる」の例文
- 「先生、もう来はった?」(=先生、もういらっしゃった?)
- 「部長、今日は何時に帰らはるんやろ」(=部長は今日、何時にお帰りになるのかな)
- 「お隣さん、旅行行ってはるらしいで」(=お隣さん、旅行に行っているらしいよ)
- 「この本、だれが書かはったん?」(=この本、だれがお書きになったの?)
どの例文も、話している相手には「〜で」「〜ん?」とくだけた語尾を使っています。話題にしている人にだけ「〜はる」で敬意を払っているのがポイントです。
身内や物に使うこともある
「〜はる」は、地域や人によっては身内や動物、物にまで使われることがあります。「お母さん、出かけはったわ」「雨、降ってはるわ」のような言い方です。
『雨にまで敬語?』と驚きますよね。これは敬意というより、言葉をやわらかくする親しみの表現として使われていると言われます。
「〜はる」と「〜られる」はどう違う?
標準語にも「先生が来られる」のような軽い尊敬の言い方がありますよね。「〜はる」は、この「〜られる」に近い温度ですが、もっと日常の会話に溶け込んでいるのが違いです。
関西では、友達との雑談の中でも、話題の人に自然に「〜はる」を付けます。「〜られる」を雑談で使うと少し硬く聞こえるのに対して、「〜はる」は硬さが出にくいんです。
| 言い方 | 温度 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| 「〜はる」 | 軽い敬意+親しみ | 雑談・職場・近所 |
| 「〜られる」 | 軽い敬意 | ややきちんとした会話 |
| 「いらっしゃる」など | はっきりした敬意 | 改まった場面・社外 |
「しはる」「してはる」の作り方と意味
- 動詞の「〜ない」の形を考える(行かない、来ない)
- 「ない」を取って「はる」を付ける(行かはる、来はる)
- 「する」は「しはる」、「している」は「してはる」
- 過去は「〜はった」、丁寧にするなら「〜はります」
「〜はる」の付け方には、地域によって少し違いがあります。大阪では「行かはる」、京都では「行きはる」のように、付ける形が変わると言われます。
ここでは、大阪など関西の広い地域でよく耳にする形を中心に紹介します。
| 標準語 | 関西弁(はる) | 標準語の敬語 |
|---|---|---|
| する | しはる | なさる |
| している | してはる | なさっている |
| 来る | 来はる | いらっしゃる |
| 行く | 行かはる | いらっしゃる |
| 言う | 言わはる | おっしゃる |
| 見る | 見はる | ご覧になる |
| 帰る | 帰らはる | お帰りになる |
| 食べる | 食べはる | 召し上がる |
「しはる」は「なさる」
「しはる」は「する」に「はる」が付いた形で、「なさる」「される」の意味です。仕事や習いごとの話でよく使われます。
- 「社長、ゴルフしはるんですか」(=社長、ゴルフをなさるんですか)
- 「何の仕事しはってるんですか」(=何のお仕事をなさっているんですか)
「してはる」は「なさっている」
「してはる」は「している」の尊敬の形です。今している最中のことや、ふだんからしていることを言う時に使います。
- 「先生、今電話してはるわ」(=先生は今、電話をなさっているよ)
- 「お父さん、毎朝散歩してはるねん」(=お父さんは毎朝、散歩をしているんだ)
2つ目の例のように、身内に「してはる」を使うのは、親しみを込めた言い方です。標準語の感覚だと少し不思議に聞こえるかもしれませんね。
「〜はります」でさらに丁寧に
「〜はる」に「ます」を付けた「〜はります」は、相手に対しても丁寧に話したい時の言い方です。お店の人や、少し距離のある相手との会話でよく耳にします。
- 「何にしはります?」(=何になさいますか)
- 「今日はどちらまで行かはります?」(=今日はどちらまでいらっしゃいますか)
- 「もう決めはりました?」(=もうお決めになりましたか)
『関西のお店の接客がやわらかい』と感じるのは、こうした言い方が理由の一つかもしれません。きちんとしていながら、かしこまりすぎない温度なんです。

標準語の敬語に変換するとどうなる?
- 軽い敬意と親しみを同時に出せる
- 目上・近所の人・身内にも使える
- 会話がやわらかくなる
- 改まった場面で誤解がない
- 尊敬・謙譲・丁寧を使い分ける
- 親しみは出しにくい
関西弁の敬語を標準語に変換する時は、「〜はる」を「〜される」「〜なさる」に置き換えるのが基本です。改まった場面なら「いらっしゃる」「おっしゃる」のような特別な言い方にします。
| 関西弁 | 標準語(ふつう) | 標準語(改まった言い方) |
|---|---|---|
| 「来はりました」 | 来られました | いらっしゃいました |
| 「言うてはりました」 | 言われていました | おっしゃっていました |
| 「おってはります」 | おられます | いらっしゃいます |
| 「どないしはります?」 | どうされますか | いかがなさいますか |
「〜ておくれやす」は京都の古風な言い方
「〜ておくれやす」は、「〜してください」をとても丁寧に言う、京都の古風な言い方として知られています。「おいでやす」(いらっしゃいませ)と同じ仲間の言葉です。
今の日常会話で耳にすることは少なく、お店の接客や年配の方の言葉として残っている程度と言われます。大阪など関西の広い地域で敬語といえば、やはり「〜はる」が中心です。
「〜ですわ」「〜まっせ」は丁寧語
関西弁には、「そうですわ」「ほんまですわ」のように、丁寧に言い切る「〜ですわ」もあります。男女とも使う言い方で、お嬢様言葉の「〜ですわ」とは響きも意味合いも違うんです。
「〜でっせ」「〜まっせ」は、古い大阪商人言葉のイメージが強く、今の日常ではあまり聞かない言い方です。
場面別に見る関西弁の敬語
同じ「〜はる」でも、場面によって語尾の付け方が変わります。よく耳にする言い方を、場面ごとに並べてみました。
- 近所で:「お隣さん、引っ越さはるんやって」(=お隣さんが引っ越されるんだって)
- 病院で:「先生、今日は午後からおってはります?」(=先生は今日、午後からいらっしゃいますか)
- 職場で:「課長、さっき出かけはりました」(=課長は先ほど出かけられました)
- 家で:「おばあちゃん、もう寝はったで」(=おばあちゃん、もう寝たよ)
最後の例のように、家族の話でも「〜はる」が出てくるのが関西弁らしいところです。敬語というより、やさしく話すための言い方として使われているんですね。
面接やビジネスで関西弁を使ってもいい?
- 面接や商談では、標準語の敬語を基本にする
- イントネーションまで無理に直さなくてよいことが多い
- 「〜はる」は社内の打ち解けた会話で使う
- 取引先へのメールや文書は標準語で書く
面接で関西弁を使っていいのか、迷う方も多いはずです。結論から言うと、面接では標準語の敬語を基本にしておくと安心です。
ただ、関西のイントネーションまで無理に消す必要はないことがほとんどです。言葉づかいが丁寧なら、アクセントに地元の響きが残っていても失礼にはあたりません。
面接での言い換え例
- 「そうなんです」は、「そうやねん」より面接向き
- 「〜してはりました」は、「〜されていました」に言い換える
- 「おおきに」は、「ありがとうございます」に言い換える
面接で関西弁が出てしまった時は
緊張すると、つい「ほんまに」「〜やと思います」と関西弁が出てしまうこともありますよね。そんな時も、あわてて言い直さなくて大丈夫です。
語尾が「です」「ます」で終わっていれば、話の中身はきちんと伝わります。気になる場合は、「本当に」「〜だと思います」と次から少し意識するくらいで十分ですよ。
関西弁がどんな言葉なのかをもう一度確かめたい方は、関西弁とは?特徴・種類・使われる地域もどうぞ。
関西の職場での「〜はる」
関西の職場では、上司や先輩の話をする時に「〜はる」がよく使われます。「部長、会議に出てはります」は、社内の会話としてはふつうの丁寧な言い方です。
ただ、取引先や社外の人に対して自社の人を「〜はる」で立てると、敬語のルールとしては合わないことがあります。ビジネスの関西弁マナーとして覚えておきたいところですね。
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関西以外の人が「〜はる」を使う時の注意
「〜はる」は軽い敬意なので、関西以外の人が目上の人にいきなり使うと、なれなれしく聞こえることがあります。まずは関西の友達との会話で、話題の人に付けるところから試すと安心です。
関西弁の敬語に慣れてくると、自分でも使ってみたくなりますよね。関西以外の人が使うなら、「〜はる」は会話の中で第三者について話す時が使いやすいです。
- 「お店の人、親切にしてくれはった」(=お店の人が親切にしてくださった)
- 「先生、もう帰らはったみたい」(=先生はもうお帰りになったみたい)
よくある間違いは「自分に〜はる」
「〜はる」は相手や話題の人を立てる尊敬の言い方なので、自分の行動には付けません。「わたし、明日行かはります」と言うと、関西の人には不自然に聞こえてしまいます。
- 自分のこと:「明日行きます」「明日行くわ」(=明日行きます/明日行くよ)
- 相手のこと:「明日行かはります?」(=明日いらっしゃいますか)
へりくだる謙譲の言い方は、関西でも「伺います」「申します」など標準語と同じものを使うのが一般的です。関西弁の敬語は、尊敬の「〜はる」だけを覚えておけば十分ですよ。
メールや文書は標準語で
関西の会社でも、メールや書類は標準語で書くことがほとんどです。話し言葉の「〜はる」をそのまま文章に書くと、くだけた印象になることがあります。
例えば「部長が確認してはります」は、メールなら「部長が確認しております」(社外向け)や「部長が確認されています」(社内向け)にします。話す時と書く時で言葉を切り替える、と考えておくと迷いません。
関西弁のよく使う言葉は関西弁でよく使う言葉ランキング、言葉の意味は関西弁一覧で調べられます。会話の流れは関西弁の日常会話も参考にしてみてください。
よくある質問
関西弁の「はる」は敬語ですか?
「〜なさる」「〜される」くらいの軽い尊敬を表す言い方です。標準語の敬語ほど改まらず、敬意と親しみを一緒に込められるのが特徴です。
「しはる」と「してはる」の違いは何ですか?
「しはる」は「なさる」、「してはる」は「なさっている」の意味です。今している最中のことや、ふだんの習慣を言う時は「してはる」を使います。
面接で関西弁を使っても大丈夫ですか?
言葉づかいは標準語の敬語を基本にしておくと安心です。イントネーションに地元の響きが残る程度なら、失礼にはあたらないことがほとんどです。
「〜はる」は女性だけが使う言葉ですか?
男女ともに使う言い方です。年配の方を中心に、地域や人によって使う頻度に違いがあると言われます。
大阪と京都で「〜はる」の使い方は違いますか?
付け方に違いがあると言われ、大阪では「行かはる」、京都では「行きはる」のような形がよく聞かれます。細かい使い分けは地域や人によっても変わります。
「〜ておくれやす」は今も使われていますか?
京都の古風な丁寧な言い方として知られていますが、今の日常会話で耳にすることは少ないと言われます。
まとめ
- 関西弁の敬語の中心は「〜はる」で、軽い尊敬と親しみを表す
- 「しはる」は「なさる」、「してはる」は「なさっている」
- 標準語に変換するなら「〜される」「いらっしゃる」などに置き換える
- 面接や社外の相手には、標準語の敬語を基本にする
- 関西以外の人は、第三者の話をする時から「〜はる」を試すと安心





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